【記者手帳】選管委の人事に執着する下心

 権氏が一体なぜ選管委の人事にこれほど執着するのか、その底意は分からない。自ら「中立的人事を行うため」だと言うが、行動は違っている。昨年1月、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の選挙陣営の特別補佐を務めていたチョ・ヘジュ氏が選管委の常任委員になったとき、チョ氏は常任委員が選管委員長に代わって選管委の人事や選挙管理などで専決権を行使できるように内部規定を改めようとした。この案件は選管委の全体会議にまで上程されたが、否決された。文大統領寄りの人物が「選管委を接収しよう」と試みたわけだが、この案件を会議に上程することを許した張本人こそ、当時選管委員長だった権・前大法官だ。選管委の中立性に対する所信もないまま、選管委の中立性のため残りたいというのだからうさんくさい。韓国法曹界では「権・前大法官は選管委で『コード人事』(政治的理念や傾向に基づく人事)をやった後、政界に新しいポストを要求しようとしている」といううわさが広がっている。

 権・前大法官が9月21日に選ぶ選管委事務総長を、果たして外部から「中立的人事」と見なせるだろうか。むしろ、2022年の大統領選挙と地方選挙まで管理せねばならないその事務総長は、選管委の公正性が問題になるたび、不必要な論争に巻き込まれる可能性が高い。選管委員長職を最後まで手放さない権・前大法官の固執人事の被害者にもなりかねない。権・前大法官は、性犯罪被害者の立場を繊細に察するべきだという「性認知感受性」という用語を初めて使った判事だ。その用例に照らしてみると、権氏は「ポスト感知性」は高いかもしれないが「ポスト感受性」は鈍いようだ。

チョ・ベッコン記者

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