先日、秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官が韓東勲(ハン・ドンフン)検事長を法務研修院の忠清北道鎮川本院で勤務させるよう指示した。人事異動の時期でもないのに、韓東勲検事長だけを狙って発令した。チョ国(チョ・グク=前法務部長官)と柳在洙(ユ・ジェス=元釜山市経済副市長)を捜査したとして、今年の初め釜山高検に飛ばしたと思ったら、ありもしない「検察・メディア癒着」をしたとして研修院竜仁分院に再度、追いやられていた。今度はメディアで秋美愛長官を批判したためだという。稚拙極まりない。「1年に3回左遷」などというのは独裁時代にもなかった記録だ。おそらく世界記録だろう。韓東勲検事長は、前政権を捜査した時は現政権によって「英雄」のように担ぎ上げられていた。
政権によって「検察改革」された「愛玩犬検事たち」が、政権の実力者たちがかかわる「ファンド疑惑」を覆い隠し、操作した件で、このところ国全体が騒々しくなっている。似たようなことは今後も続くだろう。しかし、「権不十年(権勢は10年持たない)」と言われる。絶対権力は必ず腐敗し、歴史は巡り巡っていくものだ。低質練炭事件の時、検察虐殺人事を行った政権の人々は、結局次々と刑務所行きとなった。
李明振(イ・ミョンジン)論説委員