イ・チョル氏と会ったこともない詐欺・横領の前科5犯の「情報提供者X」C氏がイ・チョル氏の「代理人」を務め、チャンネルA記者に接触し、その内容を伝え聞いたMBCはチャンネルAのイ・ドンジェ元記者と韓東勲(ハン・ドンフン)検事長による「検察・メディア癒着」だと報道した。
全く面識がないイ氏とC氏を結び付けたのは、閔炳徳議員が所属する法律事務所の別の弁護士だった。秋長官は尹総長の側近、韓検事長が関与していたことを挙げ、チャンネルA事件の捜査から尹総長を排除した。しかし、独自の捜査権を与えられた李盛潤(イ・ソンユン)ソウル中央地検長の捜査班はイ・ドンジェ元記者を起訴した際、訴状に韓検事長を共犯として摘示することもできなかった。
いずれの事件もまず「詐欺犯」が登場し、与党寄りのメディアがその人物の主張を報道すると、秋長官が尹総長の捜査指揮権を剥奪するという流れで進展した。ライム資産運用事件に対する捜査指揮権発動も同じだ。ライムによる政官界ロビー疑惑の中心人物であるキム・ボンヒョン元スターモビリティー会長は10月16日、「尹総長が野党関係者の捜査に否定的」という趣旨の獄中からの手紙を公表し、秋長官は3日後に尹総長が捜査に関与できないように捜査指揮権を発動した。9月21日に作成されたキム元会長の手紙は弁護士が1カ月預かり、検察の国政監査期間に合わせて公表された。キム元会長は1000億ウォン規模の横領以外に詐欺、背任、犯人逃避、虚偽告訴、業務妨害の疑いも持たれている。与党はキム元会長が10月8日に法廷で「姜琪正(カン・ギジョン)元青瓦台政務首席秘書官に5000万ウォンを渡した」と証言するまでは「悪質な詐欺犯」扱いしていたが、その後野党関係者によるロビー疑惑や尹総長を批判する内容の獄中からの手紙が公表されると一転「義人」として扱っている。