【コラム】堕胎罪での「単独処罰」に憤怒する韓国女性たち

 既存の法律に比べると、女性の自己決定権を尊重する方向に改正されることになるが、堕胎罪が残っている限り、このような矛盾は変わらない。女性たちの怒りもここに集中している。法の鉄槌(てっつい)が女性にだけいっそう重く加えられるという怒りだ。

 政府の言う通り、中絶が罪ならば、女性が望まない妊娠をして中絶する場合、妊娠・中絶の原因を作った男性もまた「罪人」になるはずだが、これを処罰する法はない。特に、男性が性行為の途中でこっそり避妊具を外す「ステルシング」と呼ばれる行為を処罰する法が必要だという声が高まっている。すでにドイツ、スウェーデン、カナダなど一部の先進国ではステルシングを犯罪と規定して処罰している。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は就任前、フェミニスト大統領を自負していた。若者世代に対しては、公正な社会をつくると約束した。20代、30代の女性から見れば、政府が打ち出した堕胎罪立法予告案は、公正でもなければ、フェミニスト大統領の政策とも思えない。フェミニズムは女性を男性と同じ人格体として扱うことだということを、自称フェミニスト大統領は知らないのだろうか。法務部は来月16日までに政府案に対する意見の集約を行う。政府と国会が耳を傾けるべき、もうすぐ結婚する30代女性の声を本人に代わって伝えよう。

 「子どもを産めば『単独(ワンオペ)育児』をさせられ、子どもを中絶すれば『単独処罰』ですよね。以前よりはマシになったというけれど、子供を産んで育てる問題に関して、韓国は依然として女性に非常に不公正な社会のようです」

ナム・ジヒョン社会部記者

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