教育庁の資料を作った教師らは「著作権の問題があるので韓国政府の部処(省庁に相当)の資料を探し、統一部(省に相当。以下同じ)のブログで関連の内容を見つけて参考にした」と語った。大邱教育庁は「コロナによる遠隔授業の状況において、家庭学習に役立てようと膨大な量の資料を作るので、内容をいちいち調べることはできない」としつつ「問題を発見してすぐに修正したが、以前の資料が別の地域で使われるだろうとまでは思わなかった」と説明した。
統一部のブログの資料は「外国人が選ぶ北朝鮮の観光地トップ10」というタイトルで、統一部の大学生記者団が書いたものだ。ここから写真や文章をノーチェックで持ってきて、そのまま学習資料として使ったのだ。統一部ブログには「統一部の公式の立場とは異なることもあり得る」という案内が付されている。
問題になった小学校で、この資料を児童に配布した教師は「資料を教師コミュニティーからダウンロードし、出典が教育庁と統一部だったので問題ないだろうと思った」と語った。
ソウル市議会の呂明(ヨ・ミョン)議員は「多数の学校でこの資料をシェアしたと推定される」とし「教育部と教育庁が実態調査を行ってこの資料を使った学校を確認し、改めるようにすべき」と語った。中央大学のイ・ソンホ教授は「思考力や判断力が成熟していない小学1年の児童は、北朝鮮の体制宣伝も同然の内容をそのまま受け止めるだろう」とし、韓国の小・中・高校で統一関連教育がきちんと行われているかどうか点検が必要」と指摘した。