【萬物相】「査察はない」という政権の盗聴

 当時の国家情報院は、元大統領から与野党の政治家・公職者・ジャーナリスト・経済関係者・市民団体・労働組合幹部まで約1800人を盗聴していた。主な電話局の中継通信網に盗聴装置をつなぎ、すべての通話を監視した。金大中政権の太陽政策を批判した黄長ヨプ(ファン・ジャンヨプ)元朝鮮労働党書記を頻繁に盗聴し、政界関係の私的な場での発言を問題視して脅した。この「通信情報」は毎日、四角形の袋に入って国家情報院長に報告された。この事件で、国家情報院の辛建(シン・ゴン)、林東源(イム・ドンウォン)元院長と金銀星(キム・ウンソン)元次長が逮捕され、有罪判決を言い渡された。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権では国家情報院が2007年、李明博(イ・ミョンバク)ハンナラ党大統領選候補の親族の不動産情報を閲覧した。査察だった。文在寅(ムン・ジェイン)政権では脱原発反対団体や発電会社「韓国水力原子力」の労働組合動向報告書を作成した。

 朴智元(パク・チウォン)現・国家情報院長が16日、国会で「金大中・盧武鉉政権時に違法査察はなかった」と言った。李明博政権時の国家情報院が国会議員らに関して作成した文書に比べると、金大中政権の盗聴ははるかに深刻な問題だ。それにもかかわらず、「査察はなかった」という。現政権の人々はウソを堂々と言う。しかし、いくら何でもこれは少々ひどすぎる。

ペ・ソンギュ論説委員

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