【コラム】自腹を切った大韓カーリング連盟の職員たち

 このような「美談」は心温まるもののはずだが、実際には悲惨なものだった。職員たちが給料からポケットマネーを出し合ったのは、責任感のためだったのだろう。「内輪もめ」をする「上の人」を批判し、支援方法がないか調べ、なかったためポケットマネーを出して選手たちに渡した、その時の心境に思いをはせた。

 先月就任したキム・ヨンビン会長は「『妻と子を除いて全部変える』という(サムスン・グループ李健煕〈イ・ゴンヒ〉会長の)言葉のように、連盟もすべてを変えるつもりだ」と意欲的な抱負を口にした。しかし、そのような就任演説の内容も目新しさが全くないように聞こえた。2019年に当選したキム・ジェホン前会長も就任時、「これまでスポーツ界で発生した複数の問題のうち、一部がカーリング界にもあるのか調べて、正したい」と言ったが、その9カ月後に不正採用疑惑が浮上して辞任した。

 キム・ヨンビン会長は最近、「現場に答えがある」と言って、「地域別巡回懇談会」をしているという。今後の行動に期待したいと思う一方で、物足りなさも残る。外部活動を開始する前に自腹を切って人知れず選手たちの面倒を見ていた職員たちに感謝の気持ちをまず示してはどうだろうか。彼らは、上層部の内輪もめで揺らいでいる連盟をしっかりと支えてきた人々なのだ。

イ・ヨンビン記者

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