【コラム】中国も恐れる台湾半導体の底力

 アップルのiPhone用部品から最強のステルス戦闘機F35に搭載される軍用半導体までをTSMCに依存する米国はTSMCをあやしなだめるのに余念がない。巨大な中国に対抗する人口2360万人の台湾にとって、最強の防衛戦略はTSMCだという言葉まで漏れる。中国が台湾を武力侵攻し、TSMCを手に入れることを米国が阻止するだろうという話だ。米国は一方では米アリゾナ州にTSMCの工場を誘致した。工場新設には30兆ウォンが投じられる予定だ、TSMCは日本に研究センターと生産ラインを新設することも検討している。まともな半導体メーカーもなしに技術崛起(くっき)を目指さなければならない中国にとって、TSMCを軸とする反中半導体同盟には鬱憤(うっぷん)が爆発しそうだ。

 韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官は3日、中国福建省アモイ(厦門)市を訪れる。台湾領の金門島から夜明けにニワトリの鳴き声が聞こえるという場所だ。そんな場所で対米ショーマンシップに長けた中国の王毅外相と会談するのだ。アモイから北西に1400キロメートル離れた西安にサムスン電子のメモリー半導体工場がある。巨大市場を背景とした中国の圧力を受け、砂塵が舞う西安に大規模半導体工場を建設したというのは秘密ではない。TSMCが相手の技術主導権争いでさえ手強いのに、中国に担保を取られているサムスン電子にとって、米中対立の中でバランスを取ることはとてもつらい。鄭長官にはどうか会談に先立ち、選挙戦に活用できるような「習近平主席訪韓推進」といった言葉を期待するのではなく、21世紀の半導体地政学の中で韓国の位置を胸に刻んでもらいたい。

李吉星(イ・ギルソン)記者

■インテルが半導体売上高ランキング1位…サムスン2位、日本は?

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