「警報! 国宝に無断侵入」…5キロ離れた学芸員のスマホにアラーム /保寧

IoTが文化財を守る…「模範事業1号」の現場に行ってみたら

 この日、記者は文化財庁、保寧市庁の関係者と共に現場を見て回り、「模擬侵入」を行った。五層石塔では保護幕の中で手を揺らしただけでも赤外線センサーが感知し、警告放送が流れた。2度の警告放送の後も「危険」が続くと、警察が出動した。キム・ドンヒョン全州大学文化財防災研究所長は「人が中に入らず保護幕の外からペイントを振りかけても、これを感知する」としつつ「雨粒を危険と見なしてはいけないので、面単位の物体を認識できるように設計された。侵入信号を自動制御装置で伝送し、ここから再び統合管制センターに送るシステム」と語った。

 人の出入りが限定的な夜間は2基の「ライダー(Lidar)」が聖住寺址を守る。自律走行車の中心技術とも呼ばれるライダーは、人の目のように物体の形や距離まで認識するセンサーで、450平方メートルの区域内のライダー網に入った物体の動きを認識し、管制センターの状況室に伝える。イ・ミョンソン文化財庁安全基準課書記官は「文化財保護のパラダイムが『事後復旧』から『事前予防』に変わりつつある」とし「多くの人材と費用を投じなくとも文化財を保護できる効率的システム」と語った。またキム所長は「IoTが24時間文化財を守るシステムは韓国初で、世界的にも例がない」とし「文化財を守るシステムが逆に景観を損ねることのないようにするのが、最も重要な考慮事項だった」と語った。

 文化財庁は2023年までに、IoT文化財防災システムを韓国各地の山中や奥地にある「孤立した文化財」163件へと拡大する。今年は、忠清南道公州の清凉寺址五層石塔(宝物)など18件に国費13億ウォン(現在のレートで約1億2700万円)を投じる予定だ。

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保寧=許允僖(ホ・ユンヒ)記者
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