サムスン半導体事業、「技術・設備・投資」の三重苦…スマートフォンの競争力にも警告音

■スマートフォンの競争力低下も

 ファウンドリー事業不振がサムスン電子全体の競争力低下につながりかねないとの懸念もある。サムスン電子は自社のファウンドリーで生産したCPUとカメラ用イメージセンサー部品をスマートフォン「ギャラクシー」シリーズに搭載する。日経は「スマホで競合するアップルはTSMCにCPU生産を全量委託しており、TSMCとの技術格差はスマホ性能でのアップルとの格差に発展する」と指摘した。

 政治的問題もサムスン電子の不安要素として挙げられる。バイデン米大統領は最近、米国中心の半導体サプライチェーン再編を宣言し、中国の技術面での台頭をけん制する意向を表明した。政界と産業界からは21日に行われる韓米首脳会談をきっかけとして、サムスン電子が米国の半導体ファウンドリーで生産ライン増設に170億ドルを投じると発表するとの情報も流れている。しかし、米国でのライン増設がサムスンの将来を保証するものではないとの見方が優勢だ。TSMCが日本、米国と共に既に強力な反中連合を主導しているからだ。さらに、台湾と日本が米国の反中連合で先頭に立っているのに対し、韓国は米中の間であいまいな「二股外交」を展開している。半導体業界関係者は「米国が中国への先端設備輸出を禁止すれば、中国に工場があるサムスン電子とSKハイニックスが影響を受けかねない。サムスン電子にとって、最大の半導体輸出先である中国を無視することもできない状況だ」と分析した。

■「世界で最も価値のあるブランド」サムスン6位、日本企業は?

パク・コンヒョン記者
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