【コラム】石炭発電の電気を使う電気自動車はエコカーなのか

 電気自動車の普及拡大が本当に環境に肯定的な影響を与えるには、内燃機関による車をすぐになくすよりも、発電源を環境にやさしいものに変える努力が必要だ。「韓国の国土や自然環境を考えると、その選択肢は原子力発電の割合を増やすことだ」と多くの専門家は言う。それでも政府は、韓国と環境が異なる海外の政策を無差別に受け入れ、電気自動車転換を加速化させている。

 ヨーロッパをはじめ、米国や中国などの主要国が電気自動車への転換を加速化させている流れに、韓国だけが逆らうことはできない。世界第4位(売上基準)の自動車メーカーである現代自動車がグローバルな競争力を確保できるよう支援するためにも、電気自動車産業を育成するための政策は着実に推進しなければならない。しかし、我が国の電力状況を考慮すると、あまり環境にやさしいわけではない電気自動車に莫大な補助金を支給してまで内燃機関による車を締め出そうとする政策の方向性は、巧みな修正が必要なように見える。

 今後の環境規制対象は、単に自動車の排出ガス量ではなく、エネルギー生産から車の駆動に至る全過程、いわゆる「油井から車輪まで(well to wheel)」に拡大する可能性が高い。海外の政策をそのまま、まねるよりも、韓国の環境に合ったエコカー普及政策を推進すべきなのは、そのためだ。例えば、電力でバッテリーを充電しなくても、燃費を向上させるハイブリッドカーに対する支援を強化する案などを含め、多角的に考慮する必要がある。

ヨン・ソノク記者

■世界電気自動車販売台数1位はテスラ、現代6位、起亜は?

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