【独自】「ハンコムコイン」と呼ばれた仮想通貨「アロワナトークン」の発行体、資本金82万円のペーパーカンパニーだった

 ハンコム関係者A氏は「一般投資家はハンコムがトークンの価値をある程度補填してくれると信じて投資したのだろうが、アロワナテクは書類上シンガポールに住所を置き、う回ICO(仮想通貨上場)を行った典型的なペーパーカンパニーにすぎない。上場企業であるハンコムが事実上不公正取引を行ったとみて、金融当局に問題提起した」と話した。

 仮想通貨を発行し、仮想通貨取引所に上場させるICOは発行体が不当な利益を得ることが可能で、韓国では2017年から禁止されている。しかし、アロワナトークンのようにシンガポールなど外国経由でICOを実施するケースには何の制裁を受けることもなく、韓国国内の仮想通貨取引所に上場され、投資家の資金をかき集めている。

 国務調整室と金融委員会、金融委員会などは2019年初め、「ICO事態調査報告書」を取りまとめ、海外を経由するICOは不透明な情報公開、プロジェクト進行過程の不透明さ、ICOによる調達資金の使途不明朗、不透明な開発陣などの問題が多く、危険だと診断した。しかし、政府はそれから2年以上手をこまぬいている。そうして上場される仮想通貨の大半はウォン建てで取引されるいわゆる「キムチコイン」だ。韓国の個人投資家がう回ICOで集中的な被害を受けているとみられる。金融当局の調査によると、う回ICOで発行された仮想通貨は発行時点に比べ、平均で68%下落した。

 アロワナトークンは当局の報告書が指摘するように、調達資金の使途や開発者が不透明だ。アロワナテクの株主はハンコムシンガポールのユン・ソンホ代表ら2人だけだ。ハンコム関係者は「ユン氏はハンコムグループ関係者だ。結局ハンコムグループが株式の大半を保有していることになる」と話した。仮想通貨のプロジェクト内容を記載したホワイトペーパーによると、アロワナトークンの30%はアロワナテクが保有している。現在の相場で計算しても時価5000億ウォンを超える。ハンコムは1万シンガポールドル(840万ウォン)を投資し、6万倍近い含み益を得た格好だ。

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金信栄(キム・シンヨン)記者
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