韓国の中高生「数学放棄」13%…コロナ渦で基礎学力不足者急増

韓国教育部が昨年行われた学力テストの結果を公表

韓国の中高生「数学放棄」13%…コロナ渦で基礎学力不足者急増

 コロナ渦の影響で遠隔授業と対面授業が並行して行われた昨年、基礎的な学力レベルに到達できなかった児童生徒の割合が大きく上昇していたことが韓国政府の発表した公式統計によって明らかになった。韓国教育部(省に相当)は「学習が十分に行われなかったことについては深刻に受け止めている」とした上で、2学期からの初等学校(小学校)、中学校、高校における対面授業の全面再開をその対策として掲げた。教育界からは「学力の低下をコロナ渦のせいだけにしてはならない」「政府が学力向上などの責任を怠ったことも原因だ」などの指摘が相次いでいる。

■英語と数学で基礎学力が不十分な割合が過去最高に

 教育部と韓国教育課程評価院は全国の高校2年生と中学3年生全体のおよそ3%を標本として424校2万1179人を対象に国語、数学、英語の学力を診断する「2020年国家水準学業成就度評価」を昨年11月に行い、その結果を2日に公表した。学力評価は公教育の成果を確認するため2000年から毎年行われている。08年から16年までは全ての学校を対象に行われたが、17年度からは標本調査の形で行われている。全国教職員労働組合(全教組)と全教組に近い教育監らが「全数評価は一種の序列付けになる」との理由で反対したためだ。

 韓国教育部の兪銀恵(ユ・ウンヘ)長官は2020年の成就度評価の結果について「中学と高校において国語、英語、数学の全科目で『基礎学力未達(1水準)』の割合が増加し、『普通学力(3水準)』以上の割合は前年に比べて減少した」と説明した。さらに「教科に対する自信、興味、学習意欲なども全般的に低下していることが分かった」「学習が不十分だったことについては深刻に受け止めている」とも述べた。

 中学3年生の英語の場合、「普通学力(3水準)」以上の割合は2019年には72.6%だったが、昨年は63.9%に低下した。同じ期間に高校2年生の国語も77.5%から69.8%に下がった。これに対して「基礎学力未達(1水準)」の割合は中3英語では3.3%から7.1%に、高2英語では3.6%から8.6%へとその割合は2倍以上も増えた。授業の内容をしっかりと理解する生徒の割合が減少している一方、学習についていけない生徒が急増していることから「学力格差が深刻になっている」との見方も出ている。

■韓国がグローバル・コンピテンス調査で7位水準…TOP10は?

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