【コラム】韓中関係の素顔を示す「泡菜」論争

 世界2位の経済大国に成長した中国では最近、国粋主義勢力を中心に歴史・文化工程事業が活発に進められている。韓国固有の食文化であるキムチもその対象だ。中国共産党の機関紙、人民日報の姉妹紙、環球時報は昨年11月、泡菜が国際標準化機構(ISO)の認証を受けたことを巡り、「キムチ宗主国の恥辱」と題する記事で、韓国がキムチ宗主国の地位を中国に奪われたという趣旨で報じた。ISOが泡菜について、「今回の食品規格はキムチには適用されない」と摘示した部分を除いて報じたフェイクニュースだった。

 このように、中国の文化工程が加速しているにもかかわらず、韓国政府は手をこまぬいている。国際社会では他国の行為に沈黙することを事実上受け入れたものと見なす。このまま黙っていれば、韓国の文化が「中国化」しかねない。政府が積極的に対応すべき理由はそこにある。

 韓中両国は2022年の国交正常化30周年を控え、今年を「韓中文化交流の年」とした。文化交流は相手の文化に対する尊重が基本だ。中国政府が「食品安全国家標準」に「キムチ」という表記を追加すれば、韓国に対する中国側の誠意を示す事例になるはずだ。韓国政府もこの問題を見過ごすことなく、対中外交で懸案として扱う必要がある。

 泡菜という表現のせいで特定の商品の販売が中断された今回の騒動は、韓国社会に広がった反中感情を間接的に示している。こうした状況が長期化すれば、両国民の心理的距離は遠ざかるばかりだ。外交関係にも暗雲が立ち込めるのは明らかだ。韓中両国は2008年、二国間関係を「戦略的協力パートナーシップ関係」に格上げした。相手国の食文化すら認めない関係では、そんな表現は空虚なだけだ。

ユン・ヒフン記者

■外国人に最も好まれている韓国料理2位はキムチ、1位は?

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