独・ナミビアの歴史問題交渉

 ナミビアの全員がこの交渉を歓迎しているわけではない。野党は「直接賠償を受け取れなかったのは屈辱的」と批判した。しかし、ナミビアがドイツの戦術に巻き込まれたとは見なし難い。ナミビアが受け取る11億ユーロは、地下資源や観光の依存度が高い同国の年間国内総生産(GDP)の10分の1に匹敵する。この金を権力者同士で分け合うなら、自らを侮辱することになるだろう。しかし、国の発展の元手と考え、旧帝国を上回る足がかりを作れば、かつての加害国に対する真の復讐(ふくしゅう)になるかもしれない。

 ドイツ・ナミビア交渉は韓国が日本と行ってきた歴史問題交渉の姿とも重なる。1965年の韓日修交協定(韓日基本条約)で受け取った援助金(経済協力金)3億ドルや長期低利借款2億ドルなどは、韓国が日本との国力の差を縮め、先進国へと飛躍する足がかりになった。2015年12月の慰安婦合意は首相の正式謝罪と被害者に直接役立つ10億円の拠出金が確保され、99人が受け取った。「不十分だ」「間違っている」という指摘があるのも理解できる。しかし、その交渉が経済発展と両国の関係改善のための努力だったことということも否定してはならない。「歴史問題外交」の目指すところは明瞭(めいりょう)さだ。過去のわだかまりを解く際には、より良い明日を作ることが必要だ。

鄭智燮(チョン・ジソプ)記者

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