清州地域の労働団体出身の4人を国家保安法違反容疑で捜査している国家情報院(韓国の情報機関、国情院)および韓国検察・警察が、家宅捜索で押収したUSBメモリーから北朝鮮工作員とやりとりしたものとみられる「指令文」や「報告文」などおよそ60件の関連証拠を確保したことが5日に伝えられた。
問題のUSBメモリーからは「(活動費の)2万ドル(現在のレートで約220万円)を無事に受領した」と北朝鮮側に報告する内容の文書ファイル、「忠誠を誓う」という趣旨の血書写真ファイルも発見されたという。国情院は、一味のうち3人が2017年から19年にかけて中国の大連や瀋陽、カンボジアのプノンペンで北朝鮮工作員と接触する映像・写真資料を、今月2日の拘束令状実質審査の際に提示したといわれている。当局は、容疑者らが北朝鮮の指令に従って「自主統一忠北同志会」という地下組織を立ち上げようとしたと判断したと伝えられている。
本紙の取材を総合すると、当局が確保したUSBメモリー内には「米軍F35A戦闘機導入に反対する市民運動を展開せよ」という趣旨の指令文と共に、その後に一味が繰り広げた「F35導入反対」一人デモ、街頭署名運動などの活動内容が整理された報告文もあったという。またそれとは別に、金日成(キム・イルソン)回顧録『世紀とともに』など、さまざまな利敵表現物も押収したと伝えられている。