さらにウイルスの塩基配列だけでコロナの起源を解明するのが難しい場合でも、武漢研究所がどのようなウイルスをどこから、どのように入手してきたか、さらに何の研究をしたかという「コンテキスト(前後関係)」を把握することがプラスになるとCNNは報じた。そのコンテキストに関する情報がコロナ発生の経緯を推定する明確な手がかりになるというのだ。
ただし確保された遺伝子データはあまりにも膨大で、これらを分析して使用可能な情報を取り出せるかが今後の鍵になりそうだ。米国のバイデン大統領は今年5月、コロナの起源を解明するため米国の情報当局に対し「武漢ウイルス研究所からの流出説」などについて90日かけて改めて調査するよう指示した。90日という制限された時間内に調査を終えねばならないのだが、実際は研究を行う人材の確保も簡単ではないという。遺伝子の塩基配列を解析する能力を持つ科学者であるのはもちろん、中国語にも堪能で米国政府から機密取扱いの認可まで受けた人材を見つけねばならないからだ。これらの条件下で遺伝子データを全て解析するため、米国の情報機関は現在米エネルギー省管轄の17の研究所にあるスーパーコンピューターに依存しているという。