こっちでは18%、あっちでは30%…韓国の世論調査は夏バテしているのか

 世論調査結果に差が出る原因としては、自動応答(ARS)方式と電話面接員方式など調査方法の違いがまず指摘される。KSOIなど尹錫悦氏が優勢の調査はいずれも機械が質問を行うARS方式。韓国リサーチなど李在明氏が優勢の調査はいずれも電話面接員方式だ。回答率が比較的低いARSは政治に関心が高い「高関与層」の標本が多く、回答率が高い電話面接員方式が政治に関心が薄い「低関与層」も相対的に多いとされる。最近は政治高関与層に保守層が多いことが分かっている。7月末に韓国ギャラップが実施した調査で「政治に関心が高い」との回答者のうち保守層(33%)がリベラル層(31%)、中道層(25%)より多かったが、「政治に特に関心がない」との回答者は中道層(37%)とリベラル層(23%)が保守層(22%)より多かった。

 しかし、同じ方式の調査でも大きな差が出るケースがある。エムブレーン、ケイスタット、コリアリサーチ、韓国リサーチによる共同調査で文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率は8月第1週の42%から同月第2週に43%に上昇した。これに対し、韓国ギャラップの調査では同じ期間に支持率が41%から36%に急落した。いずれも電話調査員方式による調査だった。4社共同調査はすべて通信キャリア3社の仮想番号を使ったが、韓国ギャラップはコンピューターで携帯電話番号を無作為に生成する方式を採用し、固定電話も15%含めた。

 専門家は「いい加減な世論調査が有権者心理を歪曲(わいきょく)し、選挙に影響を与えるとすれば、民主主義が大きく退くことになる」と話した。中央選管や調査学会、調査協会などが体系的研究を通じ、調査方法論を整備すべきだという指摘もある。ソウル大のハン・ギュソプ教授は「全ての選挙調査を選管に登録したからといって、全てが公正だという認識は錯覚だ。選管などが混乱を減らす方策を速やかに模索すべきだ」と指摘した。(各調査は中央選挙世論調査審議会を参照)

洪永林(ホン・ヨンリム)世論調査専門記者兼データジャーナリズムチーム長

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