【寄稿】海産物消費量・通院回数世界1位、幸福指数はビリ…韓国人はどこにいるのか

韓国の工業競争力指数、ドイツ・中国に続いて3位…ゲーム・音楽は5-6位の文化大国
その裏にはOECD最下位レベルの睡眠時間、世界最高の自殺率・高齢貧困率
高齢層の福祉拡充、労働・通勤時間の短縮、住宅供給を増やす政策を

 5000万人という人口規模を考慮してみると、コンテンツ産業のこうした規模は不思議に思える。年間労働時間が1967時間とOECD加盟国中2位を記録しているのに、どうしてあのような文化コンテンツ産業の成長を実現できたのだろうか? その答えは、OECD1位の平均通勤時間とOECD最下位を記録している睡眠時間にある。睡眠不足で長時間労働に苦しみつつ、満員の地下鉄でゲームをして、映画を見て、漫画を読んでいるのが韓国人の姿でもある。

 多くのことを短期間で成し遂げただけに、その影も大きく、かつ深い。自殺率は10万人当たり24.7人で、OECD平均(11.5人)の2倍に達して1位。これほど高い自殺率において大きな比重を占めているのが高齢者の自殺だ。65歳以上の高齢者の自殺率は10万人当たり58.6人で、2位のスロベニア(38.7人)を大きく引き離している。高い高齢者自殺率は、貧困が大きな影響を及ぼしている。韓国の高齢者貧困率は43.4%で、OECD平均(14.8%)に比べ顕著に高い断トツの1位-という事実はあまり知られていない。高齢人口の増加率が4.4%と、OECD加盟国の中では最も高い状況であることを考慮すると、こうした高齢層の問題は今後一層深刻になるだろう。高齢者だけでなく、子どもたちも不幸だ。2020年のユニセフ(国連児童基金)の調査によると、韓国の子どもたちの身体的健康(13位)、学業および社会能力(11位)は上位圏にあるが、精神的ウェル・ビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること)は調査対象38カ国中34位にとどまっている。

 順位で見た大韓民国は、韓国人が思ってみなかった多様な姿を見せてくれる。競争力があり、バランスの取れた産業構造と高い消費水準が韓国の誇りだとするならば、貧困と自殺、そして長時間労働と通勤時間は韓国の弱点になるわけだ。個人の暮らしと直接関連がある多くの分野の弱点が、韓国人の幸福指数をOECD加盟国中最下位へと押し下げているのだ。これを解決しようとする積極的努力が必要な時期がきている。労働時間を減らし、高齢層に対する福祉を拡充し、通勤時間短縮のための交通改善と住宅供給拡大が実現すれば、韓国の順位はさらに良い方向へと変化するだろう。

チェ・ジュンヨン(法務法人「律村」専門委員)

■2020年世界幸福度ランキングで韓国61位…最も幸せな国は?

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