テスラを抜いた…中国製EV・バッテリーの疾走

 比亜迪(BYD)、上海蔚来汽車(NIO)、広州小鵬汽車科技(Xpeng)など中高価格帯のEVメーカーは車体が大きいスポーツタイプ多目的車(SUV)、スポーツカーまで販売を拡大しており、主要メーカーはEV天国と呼ばれるノルウェーをはじめ、欧州への輸出にも取り組み、海外での影響力を拡大している。

 中国のEV市場成長の背景には、それを下支えしてきた中国のバッテリー産業がある。中国のバッテリーメーカーはCATLを筆頭に急成長を遂げており、BYD(4位)、中航リ電科技(CALB、リ=金へんに里)、遠景AESC(8位)、国軒高科(9位)の5社が10位圏内に名を連ねる。今年上半期の中国メーカーのシェアは40%前後で、昨年上半期(34%)に比べ大きく上昇。韓国勢は昨年上半期にトップだったが、今年上半期は37%で中国勢に抜かれた。バッテリー業界関係者は「中国の安価なバッテリーが中国EV市場成長の源泉だ」と指摘した。

■中国のEV崛起は成功するか

 内燃機関車の技術で遅れていた中国はかなり前から未来の自動車であるEVを集中的に育成してきた。半導体、自動運転、5Gなど先端技術を集約したEV産業を育成し、テクノロジー分野で主導権を握る戦略を着々と実行している。華為技術(ファーウェイ)、小米(シャオミ)など中国のスマートフォンメーカーが巨大な中国の内需市場を基盤として成長した後、世界市場に進出したように、バッテリーから完成車まで中国国内に強力なEV生態系を構築した上で、海外市場の攻略を狙う。中国当局は阿里巴巴(アリババ)など内需型のインターネット企業、ゲーム企業を締め付けているが、スマートフォン、半導体、EVなど輸出テクノロジー産業に対しては有力な後援者を名乗っている。

 韓国自動車研究院のイ・ハング研究委員は「中国政府はコストパフォーマンスが高いEVを量産するため、海外の非難を受けつつも、中国製バッテリーを搭載した安価なEVに補助金による集中支援を行ってきた。韓国企業がEV市場でも競争力を保つためには技術力で差別化しなければならないが、時間はあまり残されていない」と指摘した。

■韓国の消費者が好む電気自動車1位は?

柳井(リュ・ジョン)記者
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