【萬物相】「国軍を冒とく」 韓国映画のヒットの公式

 映画『高地戦』は『金城大戦闘』と同様、停戦直前の血闘を描いたものだ。実際の戦闘では多くの韓国軍兵士が小さな領土を守るために命をささげた。しかし、映画の中で国軍司令部は軍人を死地に追いやる冷血漢、国軍の指揮官は戦地で迷っている間に下剋上を食らって命を落とす無能力者として描かれる。国軍兵士は極限で生きるために同僚を殺す卑怯者として扱われる。このような国軍は、高地で入り乱れて戦っていた人民軍と一緒に、米軍の爆撃によって一斉に命を奪われる。韓民族が米軍に一斉にやられるという設定だ。韓国でヒットする映画はこのような設定の映画だという。犬が人間を噛むのではなく、人間が犬を噛んでこそ映画のチケットが売れるというわけだ。

 映画は映画だ。事実をねじ曲げることもあれば、善と悪が変わることもある。しかし、われわれのように侵略されて膨大な被害を受けた場合、映画であっても最低限のラインがあるはずだ。しかし、そのラインを超えなければ商売にならないのだという。ある映画関係者は「『トンマッコルへようこそ』(朝鮮戦争下の1950年代、山あいの村での村人と軍人たちの交流を描いた映画)で、村を破壊しようとしたのが米軍でなく中共軍だったらヒットするはずがない」と話した。制作会社と配給会社、評論家がまずそっぽを向くだろう。敵軍を持ち上げて国軍を侮辱するのが韓国映画のヒットの公式ということだ。

鮮于鉦(ソンウ・ジョン)論説委員

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