「韓国ラグビー、負けたら文句を言いながら言い訳ばかり探していた」

初のオリンピック出場に導いたチャールズ・ロウ・コーチからの「苦言」

 ロウ氏は「選手選抜の段階から問題が多かった」と指摘する。「韓国選手たちは平均年齢が30歳だが、他国は普通24歳だ。韓国では選手層が薄いというよりも、選抜がしっかりと行われていない」と評した上で「今回私は選手選抜に関与できなかった」と明らかにした。明確な基準もなく何人かの選手が延世大学と高麗大学に進学し、彼らが3チームしかない実業団の主軸になる構造についてもロウ氏は批判した。「昨年夏に珍島で開催された高校生の大会を見たが、原石のような選手たちがあちこちにいて驚いた。それを見て韓国ラグビーの可能性を信じるようになった。しかし実力や可能性よりも『縁故』が優先される今の慣例が今後も続くようでは、彼らが将来活躍する場はない」とも指摘した。

■「韓国のラグビーにこれ以上の奇跡はない」

 ロウ氏はラグビー強国の南アフリカ共和国出身だ。母国でプロ・ラグビー・チームのコーチを務め、2009年に日本にスカウトされた。データ分析によって戦略を練るロウ氏は日本でキヤノンと流通経済大学で監督などを務め「一気にトップレベルのチームに育て上げた」として高く評価された。韓国ラグビーとの出会いは2013年、日本にいる韓国の指導者たちと交流を始めたことだ。それをきっかけに延世大学や尚武など、韓国のラグビーチームが日本で合宿を行った際に無料で指導した。

 ロウ氏が行ったこの「無料の短期間家庭教師」による指導は2019年11月に行われた東京オリンピック予選で大きな力になった。韓国代表の徐天吾(ソ・チョンオ)監督から要請を受け、予選直前には日本と韓国鎮川の選手村を何度も行き来する二重生活を1カ月にわたり続けた。ロウ氏は中国や香港などライバルの試合をビデオで分析し、予選を勝ち抜くための戦術を練った。ロウ氏は「あの時点で大韓ラグビー協会は韓国がオリンピックに出場できるとは全く期待もしていなかったが、私は行けると確信した。先発選手とその交代のタイミング、戦術を一気にまとめて選手たちに伝えると、全員が『こんなに緻密な準備はしたことがない』と驚いていた。結果は予想通りになった」と語る。

■2021年世界競争力ランキング1位はスイス、米国10位、韓国23位…日本は?

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  • ▲東京オリンピックで取材と撮影に応じたラグビー韓国代表コーチのチャールズ・ロウ氏。/東京=ヤン・ジヘ記者

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