ある野戦部隊の大隊長は、軍の粗末な給食問題が明るみに出て以降、自ら兵営の食堂を掃除している。軍当局によると、おかずの調理に自ら参加する大隊長もいるという。数百人の兵士が生活する大隊を、細かい部分まで自分の目で確認しなければ不安でたまらないという大隊長が増えているというわけだ。陸軍の関係者は「現在の軍の状況では大隊長が全ての責任を負い、指揮や教育・訓練、部隊管理、食事監督など、1人で多くの役をこなさざるを得ない」として「体が10個あっても足りない」と話した。
このため、今年7月に中領への進級が内定した進級予定者が教育を受ける「大隊長班」の雰囲気も、以前とは違って沈鬱だという。ある進級予定者は「以前は大隊長に任命されることが『指揮官の華』といわれるほど、職業軍人の名誉とプライドを示す補職だったが、今では嫌われる職になった」と話した。進級予定者たちは「われわれは2年任期の間、事故が起きればいつ補職を解任されるか分からない『執行猶予』の状況」と話す。実際、前任の大隊長が事故で補職を解任され、大隊長班の教育途中で任地に派遣される進級予定者もいる。ある大隊長は「民願と問責が怖くて、まともな訓練もできない」と話した。
韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ事務局長は「兵力資源の減少、社会文化の変化により、随分前からこのようなことは予測されていたが、軍の上層部がこれまで安易な対処で済ませていた」として「これ以上、軍に解決を押し付けるのではなく、社会の全分野で対策を考える時期だ」と指摘した。
ウォン・ソンウ記者