その一方で北朝鮮に対しては「地球共同体時代に見合った変化を準備しなければならない」と呼びかけ、南北離散家族再会の早期推進、東北アジアにおける感染対策や保健協力体などを通じた感染症・自然災害への対応を求めた。来年5月に任期を終える文大統領は「韓半島平和のスタートは常に対話と協力によるものであり、南北間、米朝間対話の早期再開を求める」「相生と協力の韓半島実現に向け残りの任期も最後まで最善を尽くす」と述べた。青瓦台(韓国大統領府)の関係者は「今年は南北による国連加入30周年でもあるため、北朝鮮も共に終戦宣言に合意し良いモメンタムを形成しようというメッセージだ」とコメントした。
しかし米国のバイデン大統領は国連総会での演説で韓半島問題にはわずかしか言及せず、ニューヨークを訪問した文大統領との会談も実現しなかった。バイデン大統領は「我々は韓半島の完全な非核化を促すため、真摯で持続的な外交を模索している」として原則的な内容しか語らなかった。演説後、バイデン大統領はオーストラリアと英国の首脳と相次いで会談した。さらに24日にはワシントンでクアッド4カ国とはじめて対面での首脳会談を行い、その席で日本の菅義偉首相らと会う。文大統領はニューヨークでの2泊3日の滞在中に英国、ベトナム、スロバキアの首脳と会談した。
青瓦台の朴洙賢(パク・スヒョン)国民疎通主席はあるラジオ番組でのインタビューで「今は伝統的な4強外交も重要だが、多者外交によっても国益を得なければならない」との考えを示した。ある韓国政府関係者は「韓米首脳会談はすでに5月にワシントンで行ったので、まだ会っていない首脳に先に会うというのが米国の考えだった」と説明した。文大統領夫妻は韓国戦争当時の韓国兵と米兵の遺骨送還式に出席するためハワイに立ち寄り、23日に帰国する。