著書『戦場としての世界』の中でマクマスター氏はトランプ前政権当時、青瓦台(韓国大統領府)国家安保室長だった韓国外交部(省に相当)の鄭義溶(チョン・ウィヨン)長官と「在韓米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備」や「対北朝鮮政策」など、韓米間で意見が食い違う部分について議論したことを明らかにした。マクマスター氏は「北朝鮮の脅威に対処するかどうかを巡り、米国と韓国政府はほとんどのケースで意見が大きく食い違っていた。そのことは本の中でも明かしている」と伝えた。
「あなたのカウンターパートだった鄭長官は『米国は制裁緩和という北朝鮮誘因策を提供すべきだ』と主張しているが、鄭長官にもう一度会ったらどんな話をしたいか」との質問にマクマスター氏は「簡単に言えば、『これ(制裁緩和の主張)は結実が得られないよ』と伝えたい」と述べた。
マクマスター氏は「文大統領の党(共に民主党)はこれ(北朝鮮制裁の緩和)をずっと以前から求めてきた」とした上で「これは(北朝鮮)政権の性格に対する非現実的な推定に基づいている」と指摘した。北朝鮮は今なお「赤化統一」を目指しており「北朝鮮に友好的な態度を取れば北朝鮮政権も徐々に変化するという考えは現実的ではない」という趣旨だった。
マクマスター氏は韓米、韓日間の意見の食い違いについて「家族間の争い」と表現した上で「われわれが団結して一致した声を出せば北朝鮮に対する最善の抑止力を発揮できるし、中国を北朝鮮問題の解決に向けより努力させる非常に良い誘因策になる」との考えも示した。マクマスター氏は「韓日関係については非常に懸念している」「(韓日間の対立は)中国共産党に両国の関係を悪化させる機会をより多く提供するからだ」と警告した。
ワシントン=金真明(キム・ジンミョン)特派員