「北で44年間悲惨な暮らし、金正恩政権に賠償してほしい」 日本で初の裁判

帰還事業で北朝鮮に渡ったものの脱北した川崎さんら5人が提訴
日本司法当局、米国のワームビア賠償判決に倣うもよう

 「きょうの裁判は、日本の法廷史上初めて北朝鮮政府を相手にした歴史的な裁判です」

 14日午前10時、東京都千代田区の東京地裁103号室。この日の裁判は、「歴史的な裁判」であるという福田健治弁護士の弁論で始まった。在日朝鮮人帰還事業(北送事業)で北朝鮮に渡ったが脱北した川崎栄子さん(79)ら、被害者5人が北朝鮮政府を相手取って損害賠償を求める訴えを起こしてから、およそ3年を経て開かれた初の裁判だった。この日、裁判の被告は朝鮮民主主義人民共和国で、被告の代表者は金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長だった。だが裁判長の右側に位置する四つの被告席は空席だった。

 川崎さんらは2018年8月、「北朝鮮政府の『北朝鮮は地上の楽園』という虚偽宣伝にだまされて北朝鮮へ渡ったが、人権を抑圧された」として北朝鮮に総額5億円の賠償を要求する訴えを東京地裁に起こした。1959年から84年まで続いた「在日朝鮮人帰還事業」を、北朝鮮政府の計画的な誘拐犯罪と規定し、責任を問う訴訟だ。在日朝鮮人とその家族およそ9万3340人は、貧困と差別から逃れて北朝鮮移住を選んだが、ほとんどの人は日本へ戻ることができなかった。川崎さんら原告5人は、いずれも1960-70年代に虚偽宣伝を信じて北朝鮮へ渡ったが2000年代に脱北し、日本へ戻った。当時日本政府は、植民地時代に連れてきた在日朝鮮人を韓半島へ送り返すチャンスとみて、これを暗黙の内に支援していた。

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東京=チェ・ウンギョン特派員
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  • ▲北朝鮮政府を相手取って5億円の損害賠償請求訴訟を起こした在日朝鮮人帰還事業被害者らと支持者らが14日午前、裁判の概要を知らせる横断幕を持ち、東京地裁正門から入っていく様子。日本メディアはこの日の訴訟に大きな関心を示した。/東京=チェ・ウンギョン特派員

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