地図アプリ「カカオマップ」の航空写真、韓国軍部隊が丸見え

緑地やモザイクで隠さず

 江原道に位置する韓国陸軍のA部隊など、二つの韓国軍部隊をはっきり見わたせる航空写真が、地図アプリの「カカオマップ」にそのまま載っていたことが15日に確認された。韓国東海岸に接するA部隊の場合、内部の施設はもちろん砲台の位置までそのままさらされていた。付近の別の部隊も、航空写真を通して練兵場から射撃場、塹壕(ざんごう)とみられる施設を全て見わたすことができた。専門家らは、北朝鮮と対峙(たいじ)している状況で軍部隊の情報が敵国に漏れるのは深刻な問題だとして、対策の整備が必要と指摘した。

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 カカオやネイバーなどが提供する地図サービスで確認できる航空写真は、ポータルサイトが独自に作った資料ではない。国土交通部(省に相当。以下同じ)傘下の国土地理情報院(以下、情報院)が国防部の許可を得て毎年1度、定期的に国土撮影用航空機を飛ばして航空写真を撮影し、情報院は国防部の検査を受ける。国家安全保障に関わる施設の外部露出を防ぐための手続きだ。情報院はその後、航空写真から安全保障施設の姿を隠す処理を施し、ポータルサイトはこの写真を購入して地図サービスに活用する。

 今回、一部部隊の航空写真がそのまま露出していたのは、こうした検査手続きがきちんと機能しなかったからだ。検査手続きが不十分だったせいで、北朝鮮を含め誰でもアクセスできる民間地図サービスで「2級軍事機密」に該当する軍部隊の位置や施設が見えてしまったのだ。

 この状況について、カカオアプリの関係者は「要請があれば、情報院と協議してデータの再提供を受けたり独自にブラー(ぼかし)処理を入れたりできるが、基本的にデータ関連の問い合わせは情報院の側にすべき」と語った。ポータルサイトはお金を払って資料を買い、顧客に提供しているだけ、というわけだ。

 国防部と情報院は、責任の所在を明らかにできずにいる。国防部の関係者は「大隊クラスの部隊は全て隠したが、一部の小規模な部隊がそのまま露出している」とし「今年6月末にも、ある部隊の姿がカカオアプリにそのまま公開されていることを発見し、ポータルサイトに要請して隠す処理を施した」と語った。情報院は「国防部の検査を受けて保安施設の目録をもらうが、A部隊は規模が小さいのでブラー処理を施すべき対象に指定されないまま残った」とし「ネイバーの地図は独自に確認して隠したが、カカオアプリは修正せずそのまま露出しているものとみられる」とコメントした。国防部は、本紙の取材が始まるや「カカオ側へ直ちに隠す処理を要請する予定で、その結果を確認したい」とした。

 海外ポータルサイトのグーグルも衛星写真を公開している。だが、漢城大学国防科学大学院安保戦略学科のヨム・ギュヒョン教授は「グーグルの衛星地図は韓国国内の業者の航空写真より解像度が低く、アップデートが遅いので、カカオアプリなどで部隊の位置が公開されることの方が危険」と語った。高麗大学情報保護大学院サイバー国防学科の林鍾仁(イム・ジョンイン)教授は「韓国軍部隊の相当数が北朝鮮軍の射程距離内に含まれており、位置がさらされた場合、ドローン攻撃など精密打撃を受ける危険性が高い」とし「地図サービスを担当する関連機関と国防部、いずれも軍事安全保障の基本である機密の維持において思慮深くなかった」と語った。

カン・ウリャン記者

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