「米国のイヌ」「中共は大嫌い」…溝が深まる韓中の青年たち(上)

米中対立時代の「韓中修交30年」
両国の未来に差す影

「米国のイヌ」「中共は大嫌い」…溝が深まる韓中の青年たち(上)

 中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボー)」に時事関連アカウントを開設している「孤烟暮蝉」は、中国青年の愛国主義を代表する人物に挙げられる。ソーシャルメディアのトップページに載っているネコの写真だけを見ると、この人物は同年代の若い中国人女性と変わらないように見える。しかしここを訪れる640万人のフォロワーは、きれいなプロフィル写真ではなく愛国主義で武装した孤烟暮蝉の「辛口」に熱狂する。

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 昨年、米国政府の要求によりサムスン電子とSKハイニックスが米国に半導体供給網関連の情報を提供すると、孤烟暮蝉は「(米国の)イヌとしての役割を務めてきた結果」だとコメントした。サムスンを「三喪」とさげすみ「米国に服従するほかない」と書き込んだ。孤烟暮蝉のファンも、ひんぱんに韓国を「イヌ」になぞらえる。韓国政府は北京冬季オリンピックを支持しつつも政府代表団を派遣するかどうかまだ決めていない、という記事に付いたコメントの中でも、多数の「いいね」が付いたのは「イヌ(韓国)は主人(米国)の言うことを聞きたくないが、主人はやはり怖いんだな」だった。「あれら(韓国)はイヌになるのが好き」というコメントもあった。

 韓国でも、正反対の状況が起きている。動画サイト「ユーチューブ」などのソーシャルメディアでは、「中国衝撃映像」のようなタイトルで中国の衛生状態や中国人の行動をあざける動画が数万-数百万回もの再生数を記録している。「韓国の人間が中国へ行ったら驚愕(きょうがく)するもの」「中国の観光客の史上最悪級迷惑事件」といったタイトルの動画もある。ネットユーザーらが、悪口と共に「中国大嫌い」「中共は永遠に下層民族」などのコメントを付けるケースも多い。

 韓国と中国のMZ世代(満20歳から39歳までの世代)や10代の間で、相手国に対する憎悪感情が次第に高まりつつある。中国の一部では韓国を「南朝鮮」と、韓国では中国を「中共」とさげすんで呼ぶ例も少なくない。専門家らは、地理的に隣接していて多くの分野で密接に交流している両国の若い世代が互いを嫌悪する状況が続いたら、両国の未来にとって大きなリスクになりかねない、と懸念する。

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