「ロシアとの経済協力が平和につながると信じたドイツ、プーチンのわなにはまった」

独シュピーゲル誌「性急な脱原発で最後はロシアの天然ガスに従属」
「ドイツ政界・企業、安い天然ガスで得る利益に酔い…致命的な状況を招いた」

 東欧圏からは「ロシアが天然ガスと石油で欧州を分裂させようとするだろう」という警告が出た。米国も「天然ガスの輸入源を多角化すべき」とアドバイスしたが、ドイツは大して気にも留めず受け流した。シュピーゲル誌は「その背景には、ロシアのガスはいかなる政治的余波にも関係なく引き続き供給され、ドイツは絶対にロシアのガスに依存的ではないという、誤った内容を信じ込んでいた」とし「プーチンがこれを悪用するだろうという自明の事実に目を向けることができなかった」と批判した。

 同誌は、政府の政策と産業界の問題も指摘した。安い天然ガスが満ちあふれ、ドイツ政府は安易にエネルギー市場の自由化に乗り出して「安定的エネルギー供給」という政府の政策的役割を放棄した。日本で福島第一原発事故が起きると、脱原発の世論に押されて性急な原発閉鎖を断行した。また、急進的な親環境エネルギー転換目標を採択しておきながら、これを実現する「マスタープラン」もなく、無計画に天然ガスに依存した。企業や投資家は安いロシア産天然ガスで得られる高収益に気を取られ、ドイツの産業とエネルギーインフラが自力で活動できなくなりつつあることには関心がなかった。風力発電の許可を得るのに5-6年かかり、高電圧の送電網が足りず、北部の余剰電力を南部の工業地帯へ送ることができないという事態が発生した。

 ロシアは最近、ドイツに対する天然ガス供給量を従来の40%の水準に減らした。「設備の問題」を言い訳にしているが、対ロ経済制裁とウクライナ支援に参加したことに対する報復との見方が一般的だ。長期化すれば、暖房はもちろん化学企業の原料供給にも大きな打撃を受ける。シュピーゲル誌は「ロシアは信ずるに値するパートナーで政治と経済は別、という主張は『世紀のうそ(Lebenslüge)』だった」とし「ドイツの犯した誤りに対する請求書が、今になって飛んできている」と結論付けた。

パリ=チョン・チョルファン特派員

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい