韓国軍が回収・分析した北の「人工衛星」は望遠鏡並み…実用性は皆無だった

 北朝鮮が今年5月17日に公開した衛星体の実物写真を見ると、4面の太陽電池パネルが折り畳まれており、2面の黄色い多層断熱材(MLI)を包む六角形構造だった。衛星体の上部には光学カメラが入った2個の鏡筒が設置されていた。専門家によると、通常500-600キロの低高度で使用される衛星の場合でも、解像度を上げるには鏡筒に一定の長さが必要だが、北朝鮮の鏡筒は短く、分析によるとその解像度はグーグルの衛星写真のレベルにも及ばないという。

 北朝鮮は昨年12月に準中距離弾道ミサイル(MRBM)を発射した際にも、これを「衛星試験品」と主張し、これによって撮影した写真を公開した。しかしこの写真も改造度は20メートルほどで、一般の商業衛星の性能にも大きく及ばないものだった。解像度20メートルは縦横20メートルの物体を一点と表示するレベルに過ぎず、これでは地上の状況を把握することはできない。偵察・諜報(ちょうほう)衛星として使用するには1メートル以下の解像度を意味する「サブメートル」は必要だ。米国が1976年に最初に打ち上げた軍事偵察衛星「KH-11」は解像度が13-45センチとされているが、これなら斜めの角度からも撮影が可能になるという。

 韓国軍は米軍と協力し、引き揚げた北朝鮮発射体と衛星体について今後も分析を続ける方針だ。ただし当分はその分析結果を公表しないという。韓国軍による引き揚げの結果や捜索能力を北朝鮮に把握させないためのセキュリティー上の理由だ。韓国軍は先日、北朝鮮が平安北道東倉里の発射台周辺を整備し、宇宙発射体や長距離弾道ミサイルを再び発射する動きを示していることから、それに備えるため態勢を強化しているという。

盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者

【図】北朝鮮宇宙発射体引き揚げの結果

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