共に民主・金俊ヒョク「女子大生たちを米将校に性上納」発言が与党候補の口から出ていたとしたら…【コラム】

 「金活蘭(キム・ファルラン)初代総長は米軍政期に梨花女子大学の学生たちを米将校に性上納させた」

 韓国最大野党・共に民主党公認の金俊ヒョク(キム・ジュンヒョク)国会議員選挙候補(京畿道水原市丁選挙区)が2年前に動画共有サイト「ユーチューブ」で行った発言だ。低質な性認識がそのまま現れている。このような発言が与党・国民の力の候補者の口から出ていたとしたら、今ごろ何が起こっていただろうか。

 もしそうなっていたら、野党と左派団体の総攻撃はもとより、保守層でも大騒ぎになっていたはずだ。保守層はこれまでの選挙による学習効果で、性に関する問題が投票にどれほど致命的なのかをよく知っている。保守陣営はこれまで、朴元淳(パク・ウォンスン)元ソウル市長、呉巨敦(オ・ゴドン)元釜山市長、安熙正(アン・ヒジョン)元忠清南道知事ら共に民主党関係者の性問題を集中的に批判してきた。ネロナムブル(私がすればロマンス、他人がすれば不倫=身内に甘く、身内以外に厳しいこと)の「わな」にかからないためにも、まず「今すぐ候補者を切れ」と言ったはずだ。今回の騒動の前、国民の力は「乱交」発言が問題になった候補者の公認を取り消している。

 一方、共に民主党と金俊ヒョク候補は数日間、「問題はない」と言い続けたが、結局は世論に押される形で2日夜に謝罪文を出した。同候補はこの日の昼までは「共に民主党の候補者を殺そうと立ち上がった保守系メディアに堂々と対抗して戦う」と言っていた。

 「歴史学者」を名乗る金俊ヒョク候補の発言の歴史的根拠は希薄だが、歴史学界関係者からの問題提起も聞こえてこない。金俊ヒョク候補が根拠に挙げた論文『韓国戦争(朝鮮戦争)と女性性の動員』(2004年)には「大学を卒業して英語ができる多様な職業の女性たちは毛允淑(モ・ユンスク=詩人で梨花女子専門学校の卒業生)が主導した社交クラブで活動した」と書かれている。だが、この論文の著者も解放政局当時、社交クラブでの女性の役割について「直接的な性的遊興を提供しなかったとしても…」と書いている。

 それでも金俊ヒョク候補は「性上納」だと断定した。もし、国民の力の候補者がこのような言動をしていたとしたら? 全国の歴史学者たちが「史料の交差検証の基礎も知らない」「歴史学の博士号を返納せよ」と言って立ち上がっただろう。しかし、共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表を朝鮮第22代国王・正祖にたとえた金俊ヒョク候補が公認状を受け取った時から現在まで、学界は沈黙している。

ウォン・ソンウ記者

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  • ▲梨花女子大学の金活蘭(キム・ファルラン)初代総長に関して、検証もないまま発言をした金俊ヒョク(キム・ジュンヒョク)候補。写真=動画共有サイト「ユーチューブ」より

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