政治総合
盧泰愚回顧録:「ゴルバチョフが記念撮影を拒否」(上)
「北朝鮮も知らない。秘密を守れ」…韓中国交正常化の事前接触で、中国側は徹底した秘密保全を要請 交渉を支援した鮮京グループ、中国で特別待遇 ソ連外相も抜きで話を進めた韓ソ国交正常化、一時は「詐欺」の懸念も 【崔宰赫(チェ・ジェヒョク)記者、黄大振(ファン・デジン)記者】 盧泰愚(ノ・テウ)元大統領は回顧録で、韓中・韓ソ国交正常化などの「北方外交」や南北関係にまつわる秘話を多数公表した。 ■北方外交 盧元大統領は、1990年6月の第1次韓ソ首脳会談について「会談2週間前、ソ連のアナトリー・ドブルイニン外交首席補佐官が韓国にやって来て、秘密裏に会談した。ドブルイニンは、“ゴルバチョフの(首脳会談)決定は党や軍部、外務省が反対する中で秘密裏に下されたものなので、ルートのいかんを問わず、これを確認しようとしてはならない”と伝えた。韓国側のスタッフの中には、ドブルイニンの一言に釣られて、希代の詐欺に巻き込まれるのではないかと懸念する者もいた。ドブルイニンは極秘にこの件を進め、当時のソ連外相シュワルナゼすら知らなかったほどだった」と記した。さらに、首脳会談当時、盧元大統領が「金日成(キム・イルソン)との会談のあっせんをしてほしい」と要請したこと、ゴルバチョフ書記長が記念撮影を拒否しようとしたエピソードも紹介した。 韓中国交正常化関連では、中国側が事前の秘密接触で「北朝鮮に事前通報しないので、韓国も、どの国にも(国交正常化交渉を)知らせないでほしい」と強く要請し、台湾にも知らせることができなかったため、結果として台湾が国交断絶などの措置を取ることになったという。盧元大統領は「韓中国交正常化の過程では、旧鮮京グループの李順石(イ・スンソク)元社長が少なからぬ役割を果たした」と記した。李元社長が中国と韓国を往復し、中国側のメッセージを盧元大統領に伝えたという。盧元大統領は「そのおかげで、韓中国交正常化以降、わたしが中国を訪問した時、中国側が鮮京グループの人物をトウ小平国家主席の専用機に乗せて名所観光をさせるなど、特別待遇を行ったという報告を受けた」と記した。