日本国籍を持つ韓国出身の評論家で、韓国を卑下する書籍を出版してきた拓殖大学の呉善花教授(56)=写真=が、韓国への入国を拒否された。韓国法務部(省に相当)は28日「出入国管理法に基づき呉教授の入国を禁じた」と明らかにした。出入国管理法第11条は、韓国の利益や公共の安全を害する行動を取る恐れのある外国人に対し、入国を禁止できると定めている。

 

 呉氏は親族の結婚式に出席するため27日午前11時ごろ仁川空港に到着したが、入国審査の際に入国を拒否され、同日夜に成田空港に引き返した。同氏は空港で待機していた産経新聞記者の取材に応じ「文明国としてあってはならないこと。(韓国は)人権も何もない。もっと冷静に対応してほしい」と韓国の対応を批判した。産経新聞は28日付朝刊の1面トップで呉氏の韓国入国拒否のニュースを報じた。

 

 呉氏は1990年、日本でホステスとして暮らす韓国人女性の姿を通して韓国の文化を批判する著書『スカートの風』を出版。韓国を批判する韓国人として日本の極右派の間で名を知られるようになった。その後『韓国併合への道』『「反日韓国」に未来はない』『私はいかにして「日本信徒」となったか』など嫌韓書籍40冊余りを出版した。27歳だった1983年に日本へ渡り、後に日本国籍を取得、2004年に拓殖大の教授に就任した。

 

 呉氏は先ごろ、嫌韓論調の雑誌『サピオ』で「韓国人がハングル優越主義で漢字を忘れている。(韓国人は)ノーベル賞を逃すたびに『日本がカネで賞を買った』と悪態をつくが、そんな暇があるなら漢字の意味を真剣に考えるべきだ」と主張した。同氏は今年4月に安倍晋三首相と会食するなど、日本の極右政治家の後援を受けているとされる。

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