13日昼12時、ソウル市鍾路区の観光人気スポット・仁寺洞。通りに並べられた韓国料理店の立て看板のメニューを見ていた香港の観光客が、一緒に旅行に来た人に「ハングルを見ると同じメニューみたいだけれども、英語表記は全部違うね」と話しかけ、首をかしげた。

 仁寺洞で20メートルも離れていない韓国料理店3店の立て看板に書かれていたテンジャン(韓国みそ)チゲ(鍋料理)の英語表記はすべて異なっていた。ある店はテンジャンを日本のみそと同じ英語表記「Miso」を使って「Miso stew(ミソ・シチュー)」と、別の店は「テンジャン」をハングルのローマ字表記「Doenjang」を使って「Doenjang stew(テンジャン・シチュー)」と書いた。その隣の店は「大豆ペーストのシチュー」という意味の「Soybean paste stew(ソイビーン・ペースト・シチュー)」と書いた。これが韓国観光公社と韓国料理財団の表記方式に合っている表記だ。

 文化体育観光部(省に相当)と農林畜産食品部は、国立国語院・韓国観光公社・韓国料理財団・韓国外食業中央会などと共に、でたらめな外国語に翻訳され、外国人観光客に混乱を与える韓国料理メニューの翻訳ミスを直していくことを決めた。

 韓国を訪れた外国人観光客は今年上半期だけ810万人に達している。文化体育観光部が昨年1万2900人を対象に調査した「外国人観光客実態調査」の報告書によると、韓国を訪れた外国人観光客が「グルメ観光」に参加した割合(重複回答あり)は半数(47.4%)近くになる。

 しかし、国内の主な観光地にある韓国料理店のメニュー表記がまちまちなため、外国人観光客はメニューを選ぶ時にかなり不便な思いをする。「Beef Tartare(ビーフ・タルタル)」と表記すべきユッケを「Six Times」、「Pollack Stew(タラの鍋料理)」と表記すべきトンテ・チゲを「Dynamic Stew」などと間違って翻訳して外国人観光客に笑われている。前者は韓国語の6回とユッケが同じ発音になるため、後者は凍ったタラを意味するトンテを同じ発音の「動態」と間違え、それを「Dynamic(ダイナミック)」と英訳したミスだ。「Beef Bone Soup」とすべきコムタンを「Bear Tang」に翻訳したケースもあった。コムタンは牛骨スープだが、「コム」を韓国語のクマと間違えたのだ。

 昨年12月に順天郷大学産学協力団が韓国観光公社に提出した「韓国料理メニュー外国語表記実態調査」の報告書によると、ソウル市内の主要観光地に中国語メニューがある韓国料理店192店のうち、33.9%(65店)は1つ以上のメニューに深刻な誤訳があることが分かった。英語メニューはレストラン230店のうち21.3%(49店)、日本語メニューは235店のうち21.7%(51店)の店で韓国料理名を誤訳していたという。

 韓国観光公社は、同公社のホームページにある「観光用語外国語用例辞典」で食品・宿泊・ショッピング・交通など8分野のハングル名称を英語・日本語・中国語簡体字と繁体字に正しく翻訳する方法を教えてくれる。「韓国料理」の場合、ご飯やおかゆ・めん・スープ類・チゲなど10数種類に分かれており、2300以上のメニュー表記が分かる。また、韓国観光公社ではネイバーなどの大手検索サイトと協力し、検索ウィンドウに料理名を入力すると英語・中国語・日本語の3カ国語で標準的な翻訳が出るようにする方針だ。

 慶熙大学観光学科のイ・テヒ教授は「外国人の失笑を招くでたらめなメニューが韓国の観光競争力をどれだけ下げてしまうのか、観光客に直接接する飲食店主たちは真剣に考えなければならない。政府も支援をすることで、継続的な啓蒙活動を行う必要がある」と語った。

 

 

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