▲写真=NEWSIS

 日本による植民地時代、そっくりそのまま日本に運び出され、約100年間にわたり「異国暮らし」をしていた朝鮮時代の建築物を韓国に返還した日本人住職が韓国大統領表彰を受けた。韓国国家遺産庁は国家遺産の保護に努めた有功者として、この建築物「観月堂」を寄贈した鎌倉大仏で知られる高徳院(神奈川県鎌倉市)の佐藤孝雄住職をはじめ、個人10人と2団体を今年選定したと9日、発表した。

【表】観月堂 韓国返還までの流れ

 佐藤住職は僧侶であると同時に、慶応大学の民族学考古学教授でもある。今年6月に韓国国家遺産庁・国外所在文化遺産財団と約定を結び、観月堂のすべての部材を条件なしで寄贈した。建物を解体して関連部材を韓国に運ぶまで、日本国内における費用をすべて自費で負担した。海外にある韓国の建築遺産が丸ごと戻ってきた初の事例だ。韓国国家遺産庁は「文化遺産を通じた韓日両国の友好・交流の実践に貢献した」と表彰理由を説明した。

 授賞式は9日、ソウル市江南区の「民俗劇場プンリュ」で開かれた「第2回国家遺産の日」行事会場で行われた。佐藤住職の他にパン・ファソン全北特別自治道無形遺産扇子匠保有者、チョ・ジョンファ百済古道研究所理事、韓国陶磁財団京畿陶磁博物館、江原特別自治道楊口郡ヤギ・ジャコウジカ・センターが大統領表彰を受けた。

許允僖(ホ・ユンヒ)記者

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