「お金がない時はカップラーメンを買って食べる。お金がある時はハンバーガー、すごくいっぱいある時は弁当セット」

 旧正月連休翌日の先月31日、ソウル市江南区の予備校や塾が立ち並ぶ地域にあるコンビニエンス・ストア。韓国は今、長い冬休みの真っただ中だが、昼食時になると小学生4人が店内の飲食コーナーでカップラーメンや弁当を食べていた。今年春に6年生になるパク君(11)=仮名、以下同じ=はカップラーメンにお湯を入れると、「午前中は小論文の塾に行って、午後は数学の塾に行くから、昼食は一人でなんとかする」と言った。パク君は冬休み中、小論文・数学・理科・野球・フルート・英語・中国語・日本語の塾に通っているという。最近は朝8時に起きて夜10時40分に家に帰る。「1週間のうち、一人でご飯を食べるのは5-6回。お母さんと一緒に食べると『勉強しろ』ってうるさいから、かえって一人で食べた方が気楽」と言った。

 イ君(11)もコンビニで一人でカップラーメンを食べていた。「週に3回くらい、主にコンビニや屋台みたいな小さな店で一人で食べる。4つの塾に通っているから仕方ない。一人でご飯を食べる時は別に何とも思わない」。

 最近、韓国社会に「一人ご飯」現象が広がっていると言われているが、小学生の間でも同様だ。大人の「一人ご飯」と違うのは、塾のスケジュールが一日中びっしりと詰まっているため、食事をする時間がほとんどなく、仕方なく「一人ご飯」をするという点だ。冬休み期間の1月から2月にかけて、この近辺では体の大きな中高生に混じって、一人でコンビニのカップラーメンやファストフード店のハンバーガーを食べる小学生が目に付く。

 算数・英語・理科の3科目でそれぞれ2カ所ずつ、合計6カ所の塾に通うキムさん(12)は「週に2回くらい一人でご飯を食べる。時間がないと宿題をしながら食べることもある」と言った。

 農林畜産食品部(省に相当)が昨年12月に発表した報告書「2016年外食消費行動分析」によると、一人でご飯を食べる成人の「一人ご飯」の頻度は月平均6.5回だった。つまり、週に2回以上「一人ご飯」をする小学生は、大人の平均よりも多い計算になる。

 本紙記者が会った「一人ご飯」小学生たちは、ほとんどが「自ら望んで」というよりも、「塾通いで時間がなくて、一人で食べるしかない」と言った。統計庁によると、2015年の小学生の私教育(芸術系・体育系を含む)参加率は80.7%で、中学生(69.4%)や高校生(50.2%)よりも高かった。

 専門家らは「子どものころから頻繁に一人でご飯を食べていると、大人になった時にマイナスの影響が出る可能性があり、創造力の発達にも良くない」と指摘する。児童・青少年心理の専門家であるキム・ウンジョン亜洲大学教授は「食事は対人関係や社会性を自然と学べる、もう一つの教育の場だ。幼年期に『一人ご飯』があまりにも頻繁だと、情緒の発達が遅れて将来的には他人との関係を築くのが困難になる可能性もある」と述べた。ソウル大学のクァク・グムジュ教授(心理学)は「創造力や社会性は子ども同士で話すなどの相互作用を通じて高まるものだが、『一人ご飯』の傾向はこうした自然な発達を阻害する恐れがある」と懸念している。

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