▲写真=左から、中国朝鮮族を人身売買や請負殺人などをする犯罪者として描いた韓国映画『青年警察』『哀しき獣』『新しき世界』のワンシーン。

 この数年間ほぼ毎年、中国朝鮮族が悪人として登場する韓国映画が公開されている。

 『哀しき獣』=原題:『黄海』=(2010年)には中国・延辺朝鮮族自治州に住む朝鮮族が「昼はイヌを売り買いし、夜は賭博で金を使い果たし、動物の骨を持って人を殺す犯罪集団」として登場する。お笑い番組の『ギャグコンサート』ではこの映画のタイトルをそのまま使い、中国朝鮮族をギャグのネタにするコーナーを作った。『新しき世界』=原題:『新世界』=(13年)には中国朝鮮族が「延辺こじき」という屈辱的な名前の残忍な殺し屋として登場する。『コインロッカーの女』=原題:『チャイナタウン』=(14)には債務者の臓器を売買する暴力組織として出てきた。ためらうことなく人を殺す残忍な姿で描写された『アシュラ』=原題:『阿修羅』=(16年)もある。10月に公開される映画『犯罪都市』は殺人課の刑事が中国朝鮮族をメンバーとする組織暴力団を一掃するというストーリーだ。

 『青年警察』の封切り以降、韓国で暮らす中国朝鮮族の間で、このような描写をする韓国の犯罪映画に対する不満が限界に達しているという。ソウル市永登浦区大林洞のチャイナタウンで羊肉料理店を経営する中国朝鮮族は「映画制作会社が(同じく中国朝鮮族が多く暮らす同市九老区)加里峰洞で協力を得られなかったため、ここの住民たちに隠れて撮影をしたといううわさもある」と語った。

 ポップカルチャー評論家のチェ・ギュソン氏は「大衆の胸に一度刻みつけられたイメージは簡単には消えない。『韓国=戦争孤児の国』という海外でのイメージを消すのに50年以上かかった。大衆の認識が変われば大衆文化も変わるだろう」と語った。

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