27日(韓国時間)、米大リーグ、カンザスシティ・ロイヤルズとテキサス・レンジャーズが対戦したテキサス州アーリントンのグローブライフ・パーク・イン・アーリントン。3-3だった延長10回裏、レンジャーズの秋信守(チュ・シンス、35)が先頭打者として打席に立った。それまでの4打席で四球だけ記録していた秋信守は、意を決したかのように相手投手ケビン・マッカーシーの4球目・ファストボール(球速148キロメートル)にバットを振った。はじき返された球は高く飛び、外野方向に伸びていき左中間フェンスを越えていった。飛距離124メートルの今季第8号ホームラン。秋信守がサヨナラホームランで勝負を決めてホームプレートを踏むと、チームメイトたちは全員飛び出してきて彼の頭や尻をたたいた。たたかれている秋信守は笑顔だった。

 秋信守は同日、2013年5月8日のアトランタ・ブレーブス戦(当時シンシナティ・レッズ所属)以来5年ぶりに大リーグで3本目のサヨナラホームランを放った。しかし、それよりも意義のある記録があった。

 秋信守は26日と27日の2試合連続ホームランで日本の「怪物バッター」松井秀喜(引退:175本)を抜き、「MLB歴代アジア人選手最多本塁打」(176本)という記録を打ち立てたのだ。同部門3位は日本の「打撃マシン」イチロー(引退:117本)だ。釜山高校を卒業して2001年に米プロ野球入りした秋信守は、05年の初めて大リーガーとなった。クリーブランド・インディアンス所属だった08年から本格的に多くの試合に出場するようになり、それから10年間、チームの中心選手としてプレーしてきた。

 秋信守は、典型的なホームランバッター・タイプではない。しかし、毎シーズン20本前後の本塁打をコンスタントに出すだけの長打力を持っている。昨年までの大リーグ13シーズンで5回、20本塁打以上を記録している。秋信守は「私はホームランバッターではない。松井が大リーグで長くプレーしていたら、私よりも多くホームランを打っていただろう。ただ長い間健康にプレーできたおかげで立てた記録だから、また誰かに越えられるだろう」と謙虚に語った。

 しかし、当分の間、彼を越えようという挑戦者はいなさそうだ。現役のアジア人大リーガーで50本塁打を達成している選手がいない。何よりも大リーグの舞台で10年以上安定した成績を挙げること自体が難しい。CBSスポーツは「レンジャーズと2020年までの契約を結んでいる秋信守は通算200本塁打も十分可能だろう」と見通している。

 30代後半に入った秋信守は、ここ数年間でやや成績が落ちていた。今シーズン開幕前には「レッグキック」(足を高く上げて重心を移動する打撃フォーム)により変化を試みた。秋信守は「高校時代以来、18年ぶりに打撃フォームを変えた」と言った。新しい打撃フォームに慣れるにつれ、成績も徐々に良くなっている。秋信守は最近13試合連続出塁行進を続けている。この期間中は打率3割2分6厘、3本塁打、8打点を挙げた。さらに、四球を14得るなど出塁率も5割に近い。秋信守は大リーグ現役選手の中で出塁率10位(3割7分8厘)となっている。

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