韓国が2009年に受注したアラブ首長国連邦(UAE)バラカ原子力発電所の建設現場で、韓国水力原子力(以下、韓水原)の職員から、フィリピン人女性非正規職員が最近まで少なくとも数カ月間にわたり常習的に性的被害を受けていたことが2日、分かった。

 匿名希望の情報提供者や韓水原などが同日、明らかにしたところによると、バラカ原発の現場事務所で働くフィリピン人女性Aさんの父親はこのほど、娘が性的被害を受けたことを伝え聞き、韓水原やUAE韓人会(在住者会)などに措置を要求したという。

 Aさんの父親は韓国人の知人を通じて、「家族を養うためにバラカ原発の建設現場で非正規職員として働く娘が、韓国人上司から性的被害を受けた。だが、仕事を失うのではないかと被害事実を明らかにできずにいる」と言ったことが分かった。警察の捜査などを依頼せずに、まず韓水原の措置を要請したものだ。

 韓水原は、韓人会と共に独自の調査を行い、性的被害の状況などを確認したという。韓水原は、この事件を認知した直後、加害者と被害者を隔離した上で、加害者を解任した。韓水原関係者は「被害者の意向により、加害者の本国召還手続きを進めているところだ。事件の詳細については追って細部を確認してみなければならない」と述べた。韓人会側は「被害者だとされるフィリピン人女性職員の雇用は保証されている状態だ」と語った。今回の事件をめぐって、現地関係者は「バラカの建設現場で同様の事件が初めてではないと聞いている」とも述べた。

 政府当局者は「バラカ原発は韓国・UAE両国の協力を象徴する事業だが、芳しくないことで事業に支障がないよう、今回の件を綿密に検討する」と述べた。

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