職権乱用による「実兄強制入院」など複数の疑惑が持たれている李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事は24日、検察の事情聴取を受け、「不当な攻撃」であり「わな」だと全面的に否認した。また、李知事の妻、キム・ヘギョン氏のものとされるツイッターアカウントをめぐる事件については、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領の息子、ムン・ジュンヨンをめぐる『就職優遇』疑惑は虚偽であることを法的に確認すべきだ」と述べた。与党内からは「このタイミングで突然ムン・ジュンヨン氏の事件に言及したのは、文大統領に矛先を向けたものではないか」との反応が漏れた。

 李知事は24日午前10時ごろ、水原地検城南支庁に出頭し、13時間にわたり聴取を受けた。検察は知事が城南市長として在任中の2012年、実兄のイ・ジェソン氏(故人)を精神病院に強制入院させることを指示した疑惑で事情を聞かれた。これに対し、李知事は出頭前に記者団に対し、「兄の強制入院は兄の妻によるものだ。精神疾患者の異常な行動で市民と公職者が被害を受ける可能性があり、精神保険法による手続きを検討すべきだと言っただけだ」と疑惑を否定した。

 検察は同日、李知事が2002年に罰金刑を受けた「検事詐称」事件を地方選挙時に否定し、地域開発の業績を誇張して選挙公報に記載した疑いでも事情を聴かれた。検察はまた、女優キム・ブソン氏とのスキャンダル、組織暴力団への関与説などについても調べたもようだ。午後11時ごろ、事情聴取を終えた李知事は「検察は答えありきで捜査しないでもらいたい」と話した。検察は公職選挙法事件の公訴時効(12月13日)前に起訴するかどうかを決定する構えだ。

 李知事は検察で事情聴取を受ける1時間前、フェイスブックに「(妻が疑われる)ツイッターアカウント所有者をめぐる事件は離間策だ」とする文章を投稿した。李知事は「自分や妻(キム・ヘギョン氏)はもちろん、弁護士もムン・ジュンヨン氏の就職優遇疑惑は『虚偽』だと確信している」と述べた。その上で、「(妻が作成されたと疑われている)ツイッターの文章が罪にはならないことを立証するためには、就職優遇疑惑が『虚偽』であることを法的に確認すべきだ」と主張。さらに、「妻に対する異常な攻撃には『就職優遇疑惑』を再び表面化させ、(与党)民主党を分裂させようとする意図がある」と指摘した。李知事はまた、「身に覚えがない疑惑の被害者であるムン・ジュンヨン氏について、深い遺憾の意を表明する」とも語った。

 これについて、文大統領派のある議員は「ムン・ジュンヨン氏をめぐる疑惑は既に昨年の大統領選の過程で虚偽と確認されたものだ。妻のキム・ヘギョン氏が投稿した数多くの文章の中から、なぜムン・ジュンヨン氏の話を持ち出したのか理解できない」と述べた。また、別の関係者は「ムン・ジュンヨン氏に言及すれば、論議を呼ぶことを李知事も当然知っていたはずだ」「『親文在寅対李在明』という構図を明確にし、支持層を結集させようという意図ではないか」と分析した。正しい未来党の河泰慶(ハ・テギョン)国会議員は「ムン・ジュンヨン氏の問題は大統領の逆鱗(げきりん)に触れるもので、李知事は離党準備を終えたという意味だ。本人の決別宣言に相当する」と指摘した。

 民主党員の間では、李知事の除名を求める声が再び高まっている。民主党権利・責任党員ら30人は24日、ソウル汝矣島の党本部前で集会を開き、「李在明を除名しろ」と気勢を上げた。参加者は年末まで毎週集会を開く方針だ。民主党関係者は「議員の間でも自主的離党を求める声が高まっており、党指導部も沈黙し続けることは難しいのではないか」と述べた。

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