「神様は乗り越えられない試練は与えない」

 白血病と診断された日本競泳界のスター・池江璃花子(18)が闘病について不屈の意志を表明、日本社会全体が感動に包まれている。池江は13日、ツイッターに「神様は乗り越えられない試練は与えない、自分に乗り越えられない壁はないと思っています」という文を掲載した。そして、「(白血病であることを公表した後、)皆様からの励ましのメッセージの中に『骨髄バンクの登録をした』『輸血、献血をした』など、沢山の方からメッセージを頂きました。私だけでなく、同じように辛い思いをしてる方達にも、本当に希望を持たせて頂いてます」と感謝の言葉を述べ、「必ず(元気になって)戻ってきます」と文章を締めくくった。

 先月18日からオーストラリアで合宿中だった池江は体に異変を感じて緊急帰国した後、白血病と診断された。池江は12日にツイッターで「私自身、未だに信じられず、混乱している状況です」と白血病であることを公表した。

 池江の白血病発症を日本のテレビや新聞は主要ニュースとして大きく取り上げた。東京出身の池江はその実力と美しさで日本人に愛されてきた人気選手だ。3歳の時に水泳を始め、中学3年生だった2015年に日本代表になってすぐ、女子100メートルバタフライで日本新記録を出した。19年間破られていなかった記録を中学生が塗り替えたのだ。翌16年のリオデジャネイロ五輪では、同種目で自身が立てた日本の新記録を更新した。17年の日本選手権では初めて5冠王になり、昨年のジャカルタ・アジア大会では50メートル・100メートル自由形、50メートル・100メートルバタフライ、400メートルリレー、400メートルメドレーリレーの6種目で優勝、同大会MVPに選ばれた。来年の東京五輪でも金メダル獲得が有力な選手と予想され、五輪PR映像にも出ている。

 日本の骨髄バンクには、今回の公表を受けて「池江選手のために何かできることはないか」という問い合わせが急増している。池江が発症を公表する前日の11日は骨髄バンクへの電話問い合わせが6件に過ぎなかったが、12日には270件、13日には1000件を上回る問い合わせがあった。

 メディアやソーシャル・ネットワークでは、池江を激励しようというキャンペーンが行われている。白血病を克服した俳優やスポーツ選手らが池江に励ましのメッセージを次々と送ったほか、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長も14日、池江の体調が一日も早く良くなって復帰できるよう祈るメッセージを送った。

 「池江現象」は政界にも影響を及ぼしている。桜田義孝五輪相「(池江は東京五輪の)金メダル候補ですから、日本が本当に期待している選手ですから、(白血病にかかったことについて)本当にがっかりしております」とコメントして問題になり、辞退圧力を受けている。「病気になった人になぜがっかりしたなどと言えるのか」という非難の声が殺到すると、桜田五輪相は13日に国会で自身の発言について謝罪し、撤回せざるを得なくなった。安倍晋三首相は「しっかりと反省しながら職務を果たしてもらいたい」と述べた。

 日本の各メディアは、池江の治療には少なくとも6カ月以上かかると予想している。日本水泳連盟は池江の治療やリハビリを念頭に、東京五輪に出場する選手の選抜方式について内部協議に着手した。

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