政治総合
米朝首脳会談:交渉決裂、文大統領の「仲裁」めぐり与野党が攻防
与党「文大統領の仲裁役が重要に」
野党「韓半島の運転者どころか見物人」
韓国与野党は1日、合意導出に失敗した2回目の米朝首脳会談の結果をめぐり攻防を繰り広げた。与党は「平和への道は難しい」として韓国政府の「仲裁役」を強調したのに対し、野党は「政府責任論」を取りざたして文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国民に対して謝罪するよう求め、大統領府の外交・安保関係者更迭を要求した。
与党・共に民主党は文大統領の仲裁がいっそう必要な時期になったとしている。同党の洪翼杓(ホン・イクピョ)首席報道官は同日、ラジオに出演し、「トランプ米大統領が仲裁役をしてほしいと我々に依頼してきたので、まずは再び南北関係をもっと稼動させなければならなさそうだ。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の訪韓問題に関する悩みが互いに深まると思う」と言った。金正恩委員長の訪韓を、膠着(こうちゃく)状態に陥っている米朝協議の突破口にしようという話だ。同党の李海植(イ・ヘシク)報道官は同日、文大統領が三・一節(独立運動記念日)100周年記念式典の演説で発表した「新韓半島(朝鮮半島)体制」に言及し、「韓半島の『仲裁者』から『主導者』として、将来の国際秩序の変化を主導するという文大統領の強い意志の現れ」と述べた。
中道左派の民主平和党・朴智元(パク・チウォン)議員もフェイスブックで、「今は文大統領だけがもつれた北・米(米朝)関係を解くことのできる、世界で唯一の方だ」と言った。米国に対する批判も出ている。丁世鉉(チョン・セヒョン)元韓国統一部(省に相当)長官は「米国が非核化関連要求を強くしたようだ。北朝鮮からすれば本末転倒の話だろう」と言った。
一方、最大野党・自由韓国党などの野党各党は同日、米国が寧辺以外の核施設廃棄を北朝鮮に要求したことを指摘し、「政府は寧辺以外の北朝鮮の核施設を本当に知らなかったのか」と追及した。同党の羅卿ウォン(ナ・ギョンウォン)院内代表は本紙の電話取材に「知らなかったなら無能だし、知っていたなら国民に対する詐欺だ。大統領府の外交・安保関係者を更迭すべきだ。国会でこの点についてただす」と言った。同党は、国会に鄭義溶(チョン・ウィヨン)大統領府国家安保室長を呼んで国政調査をするか、聴聞会を開くかする必要があると主張している。
中道右派・正しい未来党からは文大統領が国民に対して謝罪すべきだとの要求が飛び出した。李彦周(イ・オンジュ)議員はフェイスブックに「文大統領は韓半島の運転者どころか、車から追い出された見物人に成り下がっているのではないかと思う。国民に対して謝罪せよ」と書き込んだ。だが、同党のチェ・ソク報道官は論評で、米朝会談決裂を「ただ通り過ぎていくだけの花冷え」と表現した。