国際ワークショップでの講演文を事前配布

「10大財閥の資産は韓国GDPの80%、直接雇用人数はわずか3.5%」

 公正取引委員会の金尚祖(キム・サンジョ)委員長(写真)が、海外の競争政策当局関係者の前で、韓国の財閥の問題点を直接的に批判することが分かった。金尚祖委員長は、12日午前(現地時間)にセルビアの首都ベオグラードで開かれる国際競争政策ワークショップで講演を行う。その講演文を、ワークショップ開催前日の11日に公取委が配布した。

 事前配布された講演文で金委員長は「財閥は起業家精神を持つリーダーを中心に速やかな意思決定と果敢な投資により、成長のけん引車の役割を果たした」と述べつつも「時間がたつにつれ、財閥の負の側面が一段と浮き彫りになりつつある」と評価した。

 金委員長は財閥の問題として、過度の経済力集中と支配構造の後進性を挙げた。金委員長は「韓国のトップ30の財閥集団が持つ資産の総額は、韓国の国内総生産(GDP)全体よりも多い。上位10大財閥の資産総額はGDPの80%に達するが、これらの財閥に直接雇用されている人は94万人(全体の3.5%)にすぎないだけに、財閥の成長が経済全体の発展につながっていない」と批判した。続いて金委員長は「各財閥は官僚や政治家を取り込み、メディアを掌握するなど、『社会的病理現象』と化していっている。財閥の経済力乱用を正すことができなければ、経済全体の力動性を消滅させかねない」と付け加えた。反財閥論者が大企業の経済力集中を指摘する際、金委員長のように企業資産と国家GDPを比較して説明するケースはしばしばあるが、企業が成功して巨大化・国際化することを無条件に悪と見なす視点は適切ではない、という批判もある。

 金委員長は、少数の持ち株でグループ全体を支配する循環出資の構造を巡っても、平素からの所信の通り強い反感を示した。金委員長は「財閥3世は、リスクにチャレンジして収益を創出するよりも、私益追求行為を通した既得権維持にばかり没頭し、経済の力動性と発展を阻害している。先進国では市場メカニズムおよび商法・会社法などの内・外部監視装置が実効的に作動し、こうした私益追求行為を効果的にけん制し得るが、韓国の市場の状況はそうではない」とした。

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