▲今月3日、尹昭夏議員のオフィスで発見された脅迫の小包。鳥の死骸と刃物、「太極旗自決団」のメモが入っている。/写真=尹昭夏議員室

 1カ月前、革新系野党「正義党」の国会議員に、鳥の死骸と凶器が入った箱と共に「あなたは文在寅(ムン・ジェイン)左派独裁の特等紅衛兵」だという内容の非難・脅迫の手紙が配達された。「右派団体の白色テロ」という非難が集中した。警察が容疑者を捕まえてみると、親北朝鮮団体の幹部だった。

 ソウル・永登浦警察署は、今月1日に「太極旗自決団」を名乗って鳥の死骸、カッターナイフなどを脅迫文と共に尹昭夏(ユン・ソハ)正義党院内代表へ送った疑いで、韓国大学生進歩連合(大進連)ソウル運営委員長を務めるユ氏(35歳)を逮捕した。同署が29日に明らかにした。

 宅配小包には、送り主として「ソウル市冠岳区冠岳路240 キム××」という住所・氏名と共に電話番号が書かれていたが、全て偽物と判明した。警察は、宅配小包に付いている送り状を手掛かりに、この荷物の発送場所が冠岳区のあるコンビニだったことを確認し、防犯カメラの映像を分析して荷物を送った人物がユ氏であることを特定した。ユ氏は29日午前9時ごろ、ソウル市江北区の自宅から地下鉄に乗りに行く途中、水踰駅付近で逮捕された。逮捕当時、ユ氏は「知らない」という反応を示していたが、物理的な抵抗はなかったという。ユ氏が所属する大進連は、昨年11月に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長ソウル訪問歓迎行事を主導した親北朝鮮団体だ。

 29日に警察や尹昭夏議員室などが明らかにしたところによると、今月3日午後6時ごろ、尹議員室の関係者が悪臭の漂う宅配小包を開けた。2日前に国会の郵便室で受け取って保管していたものを、この日秘書が開けてみた。箱の中からは、形が分からないほどに腐った鳥の死骸とカッターナイフが入ったプラスチックの容器、そして赤い文字が書かれたA4用紙が1枚出てきた。紙には「尹昭夏、お前は民主党2中隊の手先で文在寅左派独裁の特等紅衛兵になり、でたらめなことを言っているが、気を付けろ。お前はわれわれの射程内にいる。太極旗自決団」と書かれていた。つづりには間違いがあり、文字もくねくねしていた。尹議員室は直ちに警察へ通報した。

 事件は、保守陣営に対する政治攻勢に活用された。宅配便が開封された当日、正義党の丁皓真(チョン・ホジン)スポークスマンは「明白な白色テロ」だとして「凶器だけでなく鳥の死骸を入れ、腐臭が鼻を突くなど、単純脅迫ということにしてはおけない残忍さまで衝撃的」とコメントした。文喜相(ムン・ヒサン)国会議長は「韓国社会と議会主義に対する重大な脅し」と語った。

 尹・院内代表も乗り出した。インタビューで「この事件を個人の逸脱とは見なせない。非正常な政治勢力の暴言パレード、そして朴槿恵(パク・クンへ)赦免論まで展開する過去回帰策動の過程で起こっている低劣な政治の動きのせい」「同じ国会にいながら、ひどく恥ずかしく思うことは一度二度ではない。彼らの言行に自壊が感じられることは多い」と語った。保守系野党「自由韓国党」と「ウリ共和党」を念頭に置いた発言と解釈された。

 ところが、捕まった容疑者は左派団体幹部のユ氏だった。警察はユ氏を逮捕した後、ユ氏の住居を家宅捜索し、共犯がいるかどうかなどについて調べを進めている。

 ユ容疑者が現在所属している大進連は、昨年11月に「花の波・大学生実践団」という傘下団体をつくり、金正恩委員長ソウル訪問歓迎行事を主導していた親北朝鮮団体だ。2018年3月に韓国大学生連合など、学生運動圏の団体が連合してつくられた。最近では反日運動に積極的だ。ユ氏が逮捕された29日の午後も、大進連や青年党などはソウル市鍾路区の旧日本大使館前で、自由韓国党議員、日本の旭日旗と安倍首相が描かれた横断幕を燃やすパフォーマンスを行った。今月25日には、ソウル市麻浦区上岩洞のMBC放送社屋内にあるフジテレビ韓国支社のオフィスで奇襲デモを繰り広げた。ユ氏は韓国大学総学生会連合(韓総連)議長出身で、これまでに利敵表現物を配布した容疑など(国家保安法違反)で少なくとも2度起訴され、有罪判決を受けたといわれている。

 被害者の尹・院内代表は容疑者逮捕の直後、あるメディアとの電話インタビューで、容疑者が大進連幹部だというニュースを聞き「本当なのか。確実なのか」と繰り返し尋ねたという。また「(犯人は)極右団体じゃないかと思った」とも言っていたと伝えられている。

 大進連は29日、フェイスブックに文章を載せ、「公安勢力の詐欺捏造(ねつぞう)劇」と主張した。「自由韓国党をえぐりだすため先頭に立っている大進連が、積弊清算で共に進む正義党院内代表を脅迫したというのが話になるか」「徹底した捏造事件であって、進歩改革勢力に対する分裂の試み」だとした。

 だが警察の最高位クラスの関係者は、「捜査が誤っていた可能性」についての本紙の質問に対し「われわれ警察はそこまでお粗末ではない」と答えた。

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