糾弾大会「われわれを厄介者扱いする警察と積弊勢力の捏造(ねつぞう)」

逮捕された幹部は35歳で韓総連の最後の議長

検察は逮捕状を請求

 親北団体の幹部が進歩政党所属の国会議員に鳥の死骸や凶器、脅迫文の入った荷物を宅配で送りつけた容疑で警察に逮捕されたことを受け、その所属団体は「積弊勢力捏造(ねつぞう)」と主張し始めた。さらに「自分たちが最近反日活動を積極的に行っているので弾圧を受けた」とも主張している。しかし検察は容疑者の逮捕状を請求した。

 韓国大学生進歩連合(大進連)は30日、同連合のソウル運営委員長を務めるユ氏(35歳)の逮捕を批判する会見を3回開いた。フェイスブックには「警察による詐欺操作劇の実態」という題目の2分49秒の動画がアップされた。ユ氏は今月初め「太極旗自決団」名義の脅迫文、鳥の死骸、カッターナイフなどが入った箱を正義党の尹昭夏(ユン・ソハ)院内代表に送りつけたとして前日に逮捕された。

 大進連は会見やフェイスブックの動画などを通じ、今回の事件を「警察の捏造捜査」と決め付け「(大進連の)正義の大学生というイメージをおとしめるための、明らかな大進連殺し」と主張した。大進連はさらに「ユ氏を逮捕した10人の警察官は、必ずその罪の代償を支払うだろう」「真実が明らかになれば、大進連と一人の個人を踏みにじった警察は後悔するようになる」などと主張した。

 「警察の捏造」と主張する根拠について大進連は「(保守系野党)自由韓国党の解党と反日の国民世論が徐々に高まり、極右積弊勢力は危機に追い込まれている」「その闘争に積極的に乗り出している大進連が目の上のこぶだったはずだ」と主張した。フェイスブックには先日自分たちが行った三菱のソウル事務所での抗議行動、フジテレビでの奇襲抗議行動などの様子を撮影した写真をアップし「大進連が熱心に活動し、国民の支持を受けているので、これを破壊したくて悪あがきした」「警察と積弊勢力が大進連の闘争を恐れ、捏造を行った」などと主張している。

 大進連は自分たちを支持し支援する勢力の確保にも乗り出している。まずネットを通じて「詐欺捏造緊急逮捕!大学生進歩連合会員釈放嘆願書」の書式を配布した。これに対して「偉人を迎える歓迎団」など別の親北団体の会員らがSNS(会員制交流サイト)を通じて嘆願書を共有した。大進連も「(1日で)1100人以上の市民が嘆願に参加した」と主張している。大進連はユ氏の釈放を求め、寄付金も募集中だ。

 このような中で警察はこの日、ユ氏の逮捕状を申請し、検察がこれを即座に裁判所に請求した。警察は「事案が重く、逃走や証拠隠滅の懸念がある」とコメントした。警察の捜査によると、ユ氏は先月23日、ソウル市江北区の自宅から冠岳区のコンビニまで時間をかけて移動し宅配便を送った。警察はユ氏が犯行当日に帽子、マスク、サングラスなどで顔を隠し、タクシーやバスなどを必要以上に乗り換えて利用した点。さらに近距離もあえて回り道した事実などから推測し、逃走や証拠隠滅の懸念があると考えたようだ。

 大進連は「証拠といっても、ユ氏とあまりにも違う人間が出てきた映像しかない。それなのに証拠隠滅を口実に逮捕状を申請するのか」「人権をここまで踏みにじるとは理解できない」などと反発している。「キャンドルによってできた政府で、国民が立ち上げた政府でこのようなことが起こり非常に怒っている」などとも主張した。

 ユ氏本人は前日に逮捕されてから黙秘を続けている。逮捕直後、民主社会のための弁護士会(民弁)所属の弁護士がユ氏と面会したが、ユ氏は別の弁護人を選任するようだ。その理由は確認されていない。

 大進連は昨年11月「花の波・大学生実践団」という傘下団体を立ち上げ、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長のソウル訪問歓迎行事を行った親北団体だ。2018年3月に韓国大学生連合など、大学の運動圏団体が連合して立ち上げた。ユ氏はすでに事実上消滅した韓国大学生総学生連合(韓総連)の最後の議長だ。2007年に韓総連議長に就任する直前、あるメディアとのインタビューで「北朝鮮の核はわが民族にとって戦争の抑止力になり、この戦争抑止力で韓半島の平和が続き、われわれは心配なく生活できる」「(北朝鮮の人権問題は)北朝鮮に住む人たちが感じてこそ(問題に)なるもので、外から言うべきことではない」と主張していた。

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