▲イラスト=ハンビッビズ社より

『独り身ですが何か?』など独身女性の生き方伝える「非婚エッセー」出版相次ぐ

 「一人でも幸せになれるような気がする時もあるし、一人だから生きるのが怖い時もある。『まだ間に合うかな』と希望を抱く日もあるし、『もう遅すぎて何もかもつまらない』と思う日もある」

 フリーランスの放送作家シン・ソヨンさん(49)が書いたエッセー『独り身ですが何か? 良ければそれでいいじゃない』の一節だ。40代の非婚女性の本音がつづられているエッセーが静かな反響を呼んでいる。今年7月に出版されたこのエッセーは1ヵ月余りを経てまもなく増刷に入る。購入者は30代後半の女性が多いが、40-50代の女性読者も少なくない。この本を編集した出版社のハン・ナビ・チーム長は「『独り身で幸せだからあなたも結婚するな』という主張ではなく、親の扶養や老後対策など、非婚の現実に関する話が多いので、非婚を考えている女性たちの関心を集めている」と語った。

 統計庁の発表によると、今年1-3月期の婚姻件数は5万9100件で、前年同期に比べ7100件(10.7%)減少した。このため、「非婚エッセー」も流行している。少し前まで出版市場における非婚コンテンツは「30代のゴールドミス(独身で高学歴のキャリアウーマン)」の華麗なる成功記が主だったが、最近は40代の独身女性が苦労している「自己扶養」の話にシフトしている。その代表的な本が今年2月に出た『女二人で暮らしています』だ。40代の非婚女性キム・ハナさん(43)とファン・ソヌさん(42)が共同名義でソウル市麻浦区に30坪のマンションを購入して同居を始めたエピソードをつづったこの本は、20-40代の女性に支持されて3万部以上売れた。この本を出版した会社のキム・ジヘ次長は「結婚しなければ家を買えないと思っていた女性たちが、この本を読んでマイホームを持つことに興味を示し始めた」と話す。

 70代の独身主義者キム・エスンさん(78)と『季刊 一人』の発行人イ・ジンソンさん(31)の対談集『してみたければするだけ 非婚』も増刷が予定されている。編集者パク・スンギさんは「キム・エスン先生は『一人で暮らすには近くに病院があったり、知人がいたりする家を手に入れるべきだ』など、独り身生活の知恵をたくさん紹介してくださっている。こうした点が『非婚の先輩』の生き方に関心を持つ読者の心を動かしている」と語った。

 30代の女性が書いた本では、作家イ・ジュユンさん(34)の『私は結婚をしないというわけではなくて』が好評だ。「父は流通期限30年の娘をなぜ持ったのだろうか。(中略)30を越えたという理由だけで、生涯を共にしなければならない人を突然連れてこいというなんて、そんな話あるだろうか」という詩が話題になった。この本を出版した会社のソン・ジヨン課長は「結婚問題でストレスがたまっている30代後半の男性読者も共感して買う人が多い。ベトナムなど早婚文化が残っていて、女性に対する結婚の圧力が強い東南アジア諸国から版権の問い合わせが来ている」と語った。

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