日本を訪問中の李洛淵(イ・ナクヨン)首相に会った在日韓国人たちが「息を殺して暮らしている」と語り、韓日関係改善を要求した。これらの人々は、李洛淵首相が23日に主宰した同胞代表招待昼食懇談会に出席し、深刻なまでに悪化している韓日関係で大きな困難を抱えていることを強くアピールした。昼食懇談会の歓迎のあいさつでは、呂健二(ヨ・ゴニ)在日本大韓民国民団(民団)中央本部団長が「韓日関係が非常に難しいため、我々在日韓国人は息を殺して生活するしかない。我々も韓日親善交流のために最善の努力を尽くすが、政府の動きがなければ、その成果は限定的だ」と述べた。

 李洛淵首相が東亜日報東京特派員として東京にいたころ、東京支局秘書だったソ・スンジャ民団中央本部文教局副局長は別のインタビューで、「在日韓国人社会は本当に死ぬか生きるか、生活ができるか否かの状況に置かれている。在日韓国人の子どもたちのほとんど、99%は日本の学校に通っている。そうした子どもたちが今、どのような立場で学校に通っているのか、(李洛淵首相が文在寅〈ムン・ジェイン〉)大統領に何かお話しなさることができるなら、そういう子どもたちのことも視野に入れて、国が果たすべき役割を考えてほしい」と言った。これに対して、李洛淵首相は「さまざまな苦労をたくさんなさっていることはよく知っている。韓日両国政府が何か打開策を見いだせるよう、役割を果たしていく」と述べた。

 李洛淵首相は同日、慶応義塾大学の学生たちに会った時には、「韓日関係が円満でないために最も胸が痛むのは、若者たちの心に傷を与えることだ。父親世代が歴史からの傷をもって両国関係を見つめているとすれば、(若者たちは)どんな傷も受けることなく相手を見て、未来を構築できるようにすることが、大人たちがすべきことだ」と語った。

 李洛淵首相は24日午前11時に10分余りの間、日本の安倍晋三首相と面談する予定だ。李洛淵首相は安倍首相との面談について、「そこで何らかの合意がなされたりするようなことはないだろう」と言った。22日夜、皇居で行われた宮中晩さん会「饗宴の儀」に出席した後、記者らと会った李洛淵首相は「最大限(韓日間)対話が促進されるように雰囲気を作ることが目標だ」「(韓日関係の)状況がどうであるかは既にすべて知っている上で来たのだから、ドラマチックに一言二言で(解決)できるようなことではない」「(安倍首相とは)『対話をもう少ししっかりしましょう』というくらいまでは事が進められるのではないかと思う」と語った。また、「私の方から先に(安倍首相に)各論を話す考えはない。(日本が主張する)提案の盲点、韓国でなぜ受け入れが難しいのかという説明はできるだろう」とも述べた。安倍首相は、1965年の韓日請求権協定で徴用被害問題は解決しており、従って慰謝料の支払いを要求するのは国際法違反だと主張している。しかし、1965年の協定では、徴用被害者の「未収金」と「補償金」問題だけが取り扱われ、日帝強占の違法性を認める「賠償」の性格を持つ慰謝料を被害者一人一人が請求する権利までは消滅していないというのが韓国大法院の判断だ。韓国政府は、1965年の条約・協定をすべて尊重・順守するが、こうした大法院判決も履行されるべきだという立場を堅持している。李洛淵首相はこのような点を安倍首相に説明すると言ったのだ。

 李洛淵首相は23日、山口那津男公明党代表、枝野幸男立憲民主党代表ら、日本の政界関係者と面談した後、再び記者たちに会い、「(両国が)知恵を絞れば一つずつ解いていくこともできるという小さな希望のようなものを持てた」と語り、「(安倍首相との面談で)一定の結果が出るだろう」とも言った。(徴用被害者慰謝料支給、日本の対韓輸出規制、韓日軍事情報包括保護協定〈GSOMIA〉終了という)3つの懸案に対する具体的な解決策や交渉の進展はないが、「この状況を打開しようとする(日本側の)真摯(しんし)な心を読み取れた」ということだ。

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