「アイドル?」「モデル?」

 カジュアルな装いで街を闊歩(かっぽ)すれば、そう言われるかもしれない。長身に麗しいルックスを見て、誰がこの2人をバレーボール選手だと思うだろうか。女子プロ・バレーボール「Vリーグ」女子のチーム、現代建設のコ・イェリム(25)とGSカルテックスのパク・ヘミン(19)は、同リーグを代表する「オルチャン(美人)スター選手」だ。2人は主にそのルックスで多くの関心を集めてきたが、今季は実力まで兼ね備えた選手として注目されている。両選手の活躍もあり、同リーグでGSカルテックスは1位、現代建設は2位に立っている。

 2013-14シーズンにプロ・デビューしたコ・イェリムだが、いつのまにか選手生活も7年になった。プロ1年目に新人賞を受賞してその可能性はお墨付きだったが、実力よりもルックスでファンたちの関心を集めてきた。「バレーボールの女神」(優れた美ぼう)、「小麦粉姫」(白い肌)などの愛称もバレーボールの実力とは関係がない。コ・イェリムは「オルチャン選手だというプレッシャーはある。そのたびにバレーボールをもっと一生懸命やらなければと思う」と話してきた。昨シーズンを終えてIBK企業銀行から現代建設に移ったコ・イェリムは、チームでレフトのレギュラーの座を取り、攻守で一回り成長したと評価されている。9月末のKOVOカップではチームを優勝に導いた。1試合当たり17.4点を入れたコ・イェリムは大会最優秀選手(MVP)を受賞した。特に決勝戦ではチーム最多得点の26点を入れた。今季リーグではさらに役割が増している。コ・イェリムの今季のレシーブ占有率は38.62%で、20%台だったこれまでに比べて大幅に上昇した。相手チームのサーブが集中する中でも安定したレシーブでチームの攻撃の糸口をつかむ役割をこなしている。

 慶尚南道晋州市の善明女子高を卒業したパク・ヘミンは、昨年の新人ドラフトでGSカルテックスに入団した。女性アイドルグループ「TWICE」のメンバー、ツウィに似ているということで、ファンは「奨忠のツウィ」という愛称を付けた(GSカルテックスの本拠地はソウル・奨忠体育館)。しかし、昨シーズンはチーム内にパク・ヘミンのポジションがなかった。同じポジション(レフト)にイ・ソヨン、カン・ソフィ、ピョ・スンジュら強力な先輩たちが勢ぞろいしていたからだ。ところが、ピョ・スンジュがIBK企業銀行に移籍し、今季序盤にイ・ソヨンが足の甲の靱帯(じんたい)断裂で離脱したことから、パク・ヘミンにチャンスが訪れた。先発出場した最近2試合で連続2けた得点を記録するなど、期待に応えている。昨シーズンはわずか8点だったが、今は既に35点を記録している。

 GSカルテックスのチャ・サンヒョン監督は「パク・ヘミンはきちんと準備をしてきた。チャンスを手にした選手が自分の役割をこなすと、監督としては一番気持ちがいい」と言った。第3ラウンドまでイ・ソヨンの出場が難しいだけに、パク・ヘミンはさらに多くの試合に出場しそうだ。パク・ヘミンは「(ルックスのことで)多くのファンが知っていてくれているので、実力をさらに伸ばしていいところをお見せしたい」と語った。

 両選手の実力アップがプロ・バレーボールの興行にも影響を与えるだろうと期待する声もある。動画共有サイト「ユーチューブ」にはコ・イェリムとパク・ヘミンの「直キャム」(ファンが直接撮影した動画)をはじめ、さまざまな動画が編集後にアップされている。各動画投稿の再生回数は数万回に上る。あるバレーボール関係者は「ファンを引きつけるにはスター選手が必要だ。ルックスと実力を兼ね備えたコ・イェリムとパク・ヘミンはバレーボール人気アップにプラスとなる役割を果たすかもしれない」と語った。

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