親北・左派団体、光化門広場で集会

警察 網で投てき物阻み、消火器でデモ隊のたいまつ強制鎮火

司法処理方針発表も、違法行為者の身元把握は進まず

 複数の親北・左派団体が先月30日に大規模な集会を開き、駐韓米国大使館に靴を投げたり、たいまつに火をつけて青瓦台に向かって行進したりした。警察はこうした違法行為を阻止したものの、たった1人しか現場で逮捕しなかった。全国民主労働組合総連盟(民労総)・民衆党など左派や親北性向を持つ50以上の団体からなる「民衆共同行動」は30日午後3時、ソウル・光化門広場に集まり、「全国民衆大会」を開いた。集会には数千-1万人が参加した。

 参加者たちは集会中、「米国の防衛費分担金引き上げ要求に反対する」として「くす玉割りパフォーマンス」を行った。米国大使館近くで、プラスチック製のくす玉をぶら下げた高さ約4メートルの柱を立て、物を投げて割るというパフォーマンスだった。警察は、事前に大使館周辺を警察のバス車両で囲んで封鎖していた。しかし、デモ隊が投げた靴や水の入ったペットボトルなどはバス車両を越えて大使館の建物の方に飛び込んできた。警察が制止しても靴が飛び交い続けたため、バスの上に網を設置し、靴が大使館の塀を越えないようにした。それでも物が投げつけられてくす玉が割れると、「駐留費は払えない。嫌なら出ていけ」という垂れ幕が出てきた。

 集会の参加者たちは午後5時ごろに青瓦台の展示館「サランチェ」に向かって行進する際、あらかじめ用意してきた「たいまつ」約30本を出して火をつけた。警察が「集会で許可されていないたいまつは消してほしい」と警告放送をしたが、デモ隊はこれを聞き入れず、逆にたいまつを1カ所に集めて大型のたいまつを作った。警察が消火器を使って強制的に火を消すと、デモ隊は警察を手で押しのけて抵抗した。

 

 ソウル・鍾路警察署は1日、「民衆共同行動は集会中にたいまつを使用し、これに対する消防当局の警告や消火措置を妨げ、米国大使館に向かって多数の靴などを投げるという違法行為をした。主催者と違法行為者を徹底的に捜査して司法処理する方針だ」と明らかにした。

 しかし、警察のこうした宣言はかけ声のみの終わるとの指摘もある。現場では数時間にわたって違法行為が行われたが、警察は1人も現行犯で逮捕しなかった。鍾路警察署の関係者は「強制連行した場合、デモ隊を刺激して衝突が大きくなる恐れがあった。現場指揮官の判断に基づいて対処した」と説明した。だが当時、デモで違法なたいまつを持った人物のほとんどはマスクで顔を隠しており、身元の把握が容易でない状態だった。

 警察のぬるま湯的な対応は今回が初めてではない。民労総が先月9日に国会前で行った全国労働者大会でも、メンバーが義務警察官(兵役の代わりに警察で服務する警察官)や警察官の胸ぐらをつかみ、シールド(盾)を奪ったが、今回と同じ理由で現行犯逮捕をしなかった。警察はこの時、「証拠用の映像を分析して違法かどうか捜査する」と言っていたが、「何人捕まえたか」という1日の本紙の質問に「捜査進行中の事案なので立件された人がいるかどうか明らかにするのは難しい」と答えた。

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