習近平、G20テレビ会議で韓国の防疫を称賛するも2時間後にドアを閉じる

日本には即刻反発した韓国外交部、中国には対抗措置なく抗議のみ

 韓国外交部(省に相当、以下同じ)は27日、中国政府が同日未明に全ての外国人に対して全面的な入国禁止措置を取ったことについて「突然の発表があり、事前に通知を受けられなかったので遺憾に思う」とコメントした。しかしこれに対抗して中国人に対する入国禁止措置を取ることはしないとも明らかにした。中国から不意打ちを食らっても対抗措置はしないということだ。日本が韓国に入国制限措置を取ったときは直ちに対抗した政府が、中国にだけはダブルスタンダードを適用しているとの指摘が出ている。中国は今回の措置を26日夜11時30分(現地時間)に発表した。わずか2時間前に文在寅(ムン・ジェイン)大統領は習近平・国家主席らが参加したG20(主要20カ国・地域)首脳らによるテレビ会議で「海外からの入国を全面的に制限しない状態で行われている韓国の防疫措置の優秀性」を強調していた。

 中国外交部はホームページに掲載した公告を通じて、28日0時から既存の中国ビザ・居留許可を持つ外国人の中国入国を一時中断すると発表した。北京などで行われていたノービザでのトランジットや一部国籍者に対する到着ビザ制度も全面的に禁止となった。ただし外交官、航空会社の乗務員などの入国は認められる。中国政府は貿易・科学・救護目的などでの入国については「中国領事館を通じてビザを申請できる」としている。今回の措置は主要国の中では最も強力なレベルだ。

 韓国外交部はこの日午後5時ごろ、金健(キム・ゴン)次官補が邢海明(けいかいめい)駐韓中国大使を呼び、電撃的な入国禁止措置について抗議の意向を伝えた。しかし韓国外交部は「(中国発の旅行客について)全面的に入国禁止すべき状況ではないと考える」ともコメントした。韓国外交部は、中国の各都市で韓国人を含む外国人旅行客の2週間隔離が始まった際「中央政府ではなく地方政府次元での措置」との理由で対抗措置は取らなかった。今回、中国の中央政府次元での入国禁止措置が出たにもかかわらず、対抗のレベルを高めなかったのだ。今月6日に日本が韓国人に発給されたビザを停止しノービザ・プログラムを中断した際、韓国外交部は「ビザ政策は相互主義」として直ちに対抗措置を取った。中国と日本に対する対応が180度違っているのだ。

 これについて韓国外交部のある幹部は「われわれはすでに武漢を含む湖北省で発給されたビザ所持者の入国を禁止し、済州道ノービザ入国プログラムと第三国ノービザ経由も停止した」と説明した。この幹部は「(中国側の措置は)韓国に対するものではなく、全世界を対象としたものだ」とも述べた。

 一方で韓国外交部は、日本が3月末までと発表していた韓国発の旅行者に対する入国禁止措置を4月末まで延長したことについては「遺憾」とコメントした。

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